1. ホーム
  2. /
  3. ブログ
  4. /
  5. カメラ・写真撮影
  6. /
  7. デジカメが高感度をカバーしても外付けストロボが必要なわけ・その2〜選び方

デジカメが高感度をカバーしても外付けストロボが必要なわけ・その2〜選び方

外付けカメラを装着する

外付けストロボだからといって、どれを選んでもいいわけではありません。

様々な種類があって、搭載されている機能にも違いがあります。自分の使い方に合った製品を選ぶ必要があります。

外付けストロボのチェックポイント

以下のところに注目して選びましょう。必須(ひっす)なのは「一定以上のパワー」「バウンス機能」「TTL調光」、あったほうがいいのは「オートズーム機能」「ハイスピードシンクロ」「ワイヤレス発光」です。

一定以上のパワー

ストロボのパワー(発光量)はガイドナンバーで表されます。これはすでに「内蔵ストロボの限界」で解説しました。

小型のものでは20かそれ以下のものもあります。しかし、30半ば以上をめどにしましょう。

中には50や60の製品もあります。しかし、この数値には注意が必要です。後でご説明する「パワーズーム」の機能を持っている製品の場合、どのメーカーも最も望遠側にした数値を出しています。

30半ばのものと50のものがあったとしても、50のほうがより望遠側に対応しているだけで、標準ズームの範囲ならばほとんど差がない可能性もあります。

もし、「望遠レンズを使う予定はない。少しでもむだなお金を出したくない」というのならば、「ズーム位置・ガイドナンバー」の表もチェックしましょう。どのメーカーも使用説明書はネット上に用意してます。表はその中にあるはずです。

TTL調光

「TTL」とは「Through The Lens」の略です。「TTL調光」ならば「レンズを通ってきた光をチェックして、適正な露出になるように発光量を調整する」を意味します。

かつては、発光量のもとにする明るさの計測はストロボについているパーツで行っていました(外部自動調光)。またく不正確で、ほぼ「周辺がどのくらい明るくなったか」程度しか計測できません。

TTL調光が実用化されたことで、ストロボとカメラ任せの自動で正確な露出で撮れるようになりました。

「ソニーのカメラだったらソニーのストロボ、キヤノンのカメラだったらキヤノンのストロボ」といったように純正品を選ぶのならば、ほぼ間違いなくこのTTL調光が可能です。

しかし、ほかのメーカーが作る、いわゆる「サードパーティ」のストロボの場合、必ずしもそうなっていません。この場合のみ注意が必要です。

天井バウンス機能

「天井バウンス」とは、発光部を上に向け、天井などに光を反射させるストロボの使い方です。「間接光を使う」と言い換えてもいいでしょう。「天井」と名前はついていますが、反射させるのは側面の壁などの場合もあります。

当然、発光部の角度を変えないとできません。中には、「上に向けることはできるが、左右にはできない」といった製品もあります。この場合、反射させる角度が限定されるだけではなく、縦位置で撮るときの多くは天井バウンスができません。

少なくともメインで使う外付けストロボは、左右にも発光部を振れるものにしましょう。

天井バウンス
発光部を天井などに向け、そこからの反射光を利用して撮影する「天井バウンス」。直接光を当てるのと比べ、影の出方は自然になり、被写体の立体感も出る。

オートズーム

オートズームとは、使うレンズの焦点距離に合わせて、ストロボの照射角が変化する機能です。

広角レンズを使う場合、あるいは標準ズームでも広角側を使う場合、照射角は広めになります。標準から望遠と使う焦点距離が長くなるにつれ、照射角を狭めていきます。

中央付近だけ集中して発光することで、ガイドナンバーも大きくなります。「望遠レンズを使っても、発光量が落ちにくい」と言い換えていいでしょう。

ただ、これもあまり意識しなくても、天井バウンスができるストロボであれば、この機能もほぼ搭載されています。

ワイヤレス発光

これも先の「内蔵ストロボの限界」で、「(内蔵ストロボを使うと)懐中電灯で照らしたのと同じ角度からしか照射できない」とご説明しました。

たとえ、外付けストロボであっても、最も一般的は使い方のクリップオン(カメラボディー上部に直接取り付ける)ならば、大差はありません。発光部は、内蔵ストロボに比べ、十数センチ移動しただけですから。

そこで必要になる機能が、ワイヤレス発光の機能です。電波などでカメラボディーとの間で通信し、発光量を指定し、パワーズームを動かし、発光とシャッターを同調させるのです。

この場合、カメラ側に発信機(トリガー)が、ストロボ側は受信機能が必要です。2つセットになって、やっとワイヤレス発光が可能になります。

受信機能はストロボの下に専用の装置をつける方法もありますが、今はストロボ自体に内蔵させるのが主流になっています。もし、今から買うのならば、この内蔵がおすすめです。

また、「低予算で済ませたい」というのならば、各メーカーごとの専用になっているコードを使って、カメラとストロボを連動させる方法もあります。

ストロボを離して使うには、無線か延長コードを使う
ストロボをカメラから離して使うには、受信機能のあるストロボを選び、その上カメラ側には送信機をつける必要がある。離せる距離は短いが、右のように専用の延長コードでも可能だ。

ハイスピードシンクロ

カメラのシャッタースピードにはストロボが使える上限があります。機種によって異なりますが、たいていは200分の1秒前後です。

シャッター幕が全開する上限がこのシャッタースピードなのです。それ以上になると、スリット状に開いた部分がスライドしていくことで高速シャッタースピードを実現しています。

シャッター幕が全開ではなく、スリット状の時に通常の発光をすると、光景の中の一部だけにしかストロボの光が当たりません。

しかし、スリットが動いている間に何回も発光すると、光景全部にストロボ光が当たった状況にできます。この機能がハイスピードシンクロです。

「200分の1秒前後のまでシャッタースピードでしかストロボが使えない」となると、メインの被写体に比べ、明るすぎる背景まで写したいときに、レンズを絞り込んでいっぺんに入る光の量を制限しないといけなくなります。

ここから先は中級者以上の話になりますが、これでは被写界深度が深くなり、背景をぼかすことができません。「背景も露出オーバーにしたくない。それでいて、その背景はぼかしたい」といった時に必要になるのが、ハイスピードシンクロです。

一部の人には必要な機能

これら以外にも、人によっては必要になる機能があります。

・後幕発光

通常のストロボの使い方では、シャッター幕が全開したその直後に発光します。先幕発光(先幕シンクロ)といいます。その逆に、シャッターが閉じる直前に発光するのが後幕シンクロ(後幕シンクロ)です。

必要になるのは、夜間に動いている乗り物を撮る人ぐらいです。後幕発光のほうがヘッドライトなどの光跡が自然になります。

先幕発光と後幕発光
左はシャッター幕が全開した直後に発光する先幕発光。発光した後もヘッドライトは写り続けるので、車体から光が飛び出したように見える。後幕発光はではヘッドライトが写り続けたその最後に発光して、車体が写る。

・赤目軽減

真正面から人を撮ったときに、黒目部分が真っ赤になる場合があります。瞳孔(どうこう)を閉じるのが間に合わず、目の奥の網膜が写った状態です。それを防ぐために、本番の発光の前に、軽めの発光をする機能が赤目軽減です。

よく起こるのは内蔵ストロボを使ったときで、外付けストロボならばクリップオンで使ってもそう頻繁には起きません。

設定はカメラ側でしますので、カメラが対応している必要があります。

・外部電源対応

外付けストロボの多くは、単三電池2〜4本が電源です。電池からの電気をコンデンサーにためて一気に放出することで、大光量を実現しています。一度発光してしまうと、1秒か2秒、電池が減っているとそれ以上の時間、電気を蓄えるのを待たなければいけません。

この待ち時間を減らすために、電池を増設するのが外部電源です。よくあるのは、パックの中に単三電池が6本程度入っていて、ストロボの側面にコードでつなぐタイプのものです。

値段が高いと思ったら、サードパーティのストロボを選ぶ

メーカーや機能にもよりますが、ガイドナンバー35以上の純正品ストロボは3万円前後かそれ以上します。必要性がまだあまりわかっていない人たちにすれば、ためらってしまう金額かも知れません。

ならば、サードパーティの製品も選択肢に入れましょう。先にも少し話がでてきた、「ほかのメーカーの製品」で、多くは中国メーカーがつくっています。これならば半分・3分の1の値段で手に入ります。信頼度で多少の不安が残るかも知れません。しかし、写真の撮り方が広がるのは確かです。

ただ、いくら手を出しやすくても数千円の製品はやめておきましょう。「ソニー、ニコン、キヤノン……にも使える」とアピールされていますが、TTL調光が搭載されていません。どのメーカーにも使えるのは、カメラ・ストロボ任せではなく、自分で発光量を決定するためです。初心者には多分無理でしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


まだコメントがありません。