1. ホーム
  2. /
  3. ブログ
  4. /
  5. ホームページ制作
  6. /
  7. 他山の石にしたい残念なホームページ〜有名企業でもここまで失敗する

他山の石にしたい残念なホームページ〜有名企業でもここまで失敗する

英会話レッスン・ホテル・焼肉・製造工場のバナー

私は、本来、ライター兼カメラマンです。それが、ホームページ(オウンドメディア)の工程の最上流から最下流までをやるようになったのは、「あまりに多くの失敗ホームページにかかわった。文章と写真を提供するだけの立場では、できることは限られている」が理由です。

そういった失敗ホームページの例をご紹介します。これからホームページを持とうという方や、すでに持っている方にも参考になると思いますので。

社内に編集部まで作り、経営トップが編集長

これは「他社にはまねのできない体制を組んでまでホームページを運営しても、肝心のところが抜け落ちていていると、まったく無駄になる」という話です。

カリスマ経営者がいる会社が運営するホームページ

社名をバラすわけにいかないので、「ある地方都市にある、伝統産業の会社」と申し上げておきましょう。江戸時代から続く老舗(しにせ)企業なのですが、その伝統産業が時代から取り残されて、斜陽化しました。

それが、思い切った経営改革と業種転換で生まれ変わったのです。経営トップは、マスコミ、特に日本経済新聞社とその系列のテレビ局からは何度も取り上げられました。「カリスマ経営者」扱いです。経営についての本も何冊も出しています。

その会社が持っていたオウンドメディア(自社で運営するホームページ)に、私は業務委託のライター兼カメラマンとしてかかわりました。

社員編集部員は全国を駆け回って記事を用意していた

その社では、ホームページのために社員3、4名をあて、さらには外部の専属スタッフも入れて「編集部」まで立ち上げていました。名目上とはいえ、経営トップが「編集長」です。

記事のアップはほぼ毎日でした。かかわりのある地場産業などが各地にあったので、社員でもある編集部員はその取材のために、文字通りに全国を駆け回っていました。ライターやカメラマンだけではなく、編集部員が立ち会うのが原則だったのです。

これらハードなノルマも編集部員は楽しんでこなしているようでした。というのは、そこの商品は趣味性が高く、編集部員らにも興味を満たせる仕事だったようなので。

どのキーワードでも検索順位は「圏外」

ホームページの担当者が1人の企業は珍しくありません。その上、兼任なのもしばしばです。それを考えると、この企業は「手厚い体制でオウンドメディアに取り組んでいる」といっていいでしょう。しかし、見せかけだけでした。

「googleペナルティ」レベルの検索順位

私自身が書いて撮った記事の検索順位をチェックしてみました。何本もあるのですが、いずれも100位にも入っていない「圏外」でした。キーワードを思いつく限り変えてみて、それも1語だけではなく、2語3語の複数にしても同様です。

ほかの人が書いた記事でも大きな違いはありません。トップページもそうです。

確認しようがありませんが、おそらくはgoogleペナルティが課せられていたのではないかと思います。「googleペナルティ」とは、「ネット検索のシステムを提供しているGoogleが、規約違反があったとして与える罰」です。「不当なやり方をして、検索順位を上げようとした」といったときに課せられます。

「検索順位を大幅に下げる」がその罰の一例です。

保守契約切れで、ページの仕様変更ができない

サイトデザインは、スタート時に賞もとったぐらいあか抜けていました。しかし、文章と写真を提供する私から見ると、変なところがいくつかありました。

一例を挙げると、改行の際の空きが2行になっていました。もちろん、通常は1行です。少しホームページ制作の知識があれば、「0.5行」などにも設定できます。2行では記事がスカスカです。読む側にしたら、スクロールが忙しくて、なかなか次に進めません。

私を担当している編集部員に指摘しました。返事は「制作してもらった業者との保守契約が切れているから直せない」でした。実際、放置されました。

「これでは取材相手に申し訳ない」

私としては、取材に応じてくれた相手に対する責任があります。特にここは有名企業です。「あの○○社が自分のところに興味を持ってくれた。そのホームページに取り上げてくれた。自分たちのことを知ってくれる人も増えるだろう」と、大きな期待もしていたはずです。

それが、「ページの作りはいい加減」「訪問者を期待しようにも、検索順位は圏外」です。もし、相手が気がつき、「せっかくお金も取らずに、取材の相手をしてやったのに」と非難されたら、返す言葉は私には思い当たりません。

問題点を指摘したら、「原稿だけ書いていろ」

「検索順位は、どうキーワードを考えてみても圏外」も編集部員に伝えました。「せっかくのホームページもネット上に存在しないのと同じ」レベルの話にもかかわらず、やはり放置です。

思い切って、経営トップに連絡を入れました。名目だけとはいえ、「編集長」なのです。

経営トップからの簡単な返事に引き続き、Web関連担当重役からも連絡が来ました。向こうの社内では番頭格といってもいい人物です。

「あなたは、黙って原稿だけ書いてください」。実際には、「原稿だけ書いて」の機会もなくなり、それまでに出していた何本もの企画も打ち捨てられました。

かっこよさだけを求めた、無計画・無検証のホームページ

1年ほど後でしたでしょうか、そのホームページはなくなっていました。その企業はほかにもホームページを持っていたので、そこと「合併した」といった話にしていましたが、実際には撤退です。

結局、4年ほど運営していていました。毎日、新記事をアップですから、ページ数も1,000を越えていたようです。その間、社員編集者の給料を払い、外部のライター・カメラマンに報酬を払い、取材費用も負担してで、かなりの金額を使ったはずです。

「どこで失敗したか」は、おそらく最初からでしょう。「世間から注目されている企業として、かっこいいホームページを持ちたい」だけで始めたのではないでしょうか。効果の検証もなしで編集部員が平気なのもそのせいでしょう。

その「かっこいい」しか考えていなかった象徴が、ホームページのタイトルです。ひらがな3文字だけでした。少しでもホームページ制作に関心がある人はわかるでしょうが、SEO対策は完全無視です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


まだコメントがありません。