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右手でボディーを握ってはいけない〜カメラの持ち方・シャッターの押し方

横位置での撮り方と縦位置での撮り方

テニスを習いに行ったら、最初に教えられるのは「ラケットの握り方」ではないでしょうか。まともなスクールであれば、この段階を省略してボールを打ったりはしないでしょう。

写真撮影でラケットの握り方に相当するのが、「カメラの構え方」や「シャッターの押し方」です。にもかかわらず、写真好きの人のなかにも、まったく知らないままできている場合が多いような気がします。

これから始める人は当然のこと、もうそこそこ撮れるつもりになっている人も可能性を広げるために、これらを覚えましょう。

カメラボディーは左の手のひらに載せる、シャッターボタンは指を立ててはいけない

意外に、あれこれ「お作法」があります。しかし、いったん慣れれば、放っておいてもこのやり方になるはずです。

カメラボディーとレンズの重量を支えるのは左手

現実にはなかなかそうはいきませんが、気分としては次のような順番でいきます。

(1)レンズを上からわしづかみにする人もいるが、これは論外。左の手のひらの上にボディーの底を載せる。
(2)ピントリングやズームリングを動かすのには、親指や人さし指・中指を使い、つまむような感じにする。
(3)右手を添える。
(4)両わきを締める。

特に注意が必要なのは(3)です。一般的には「握る」と表現されますし、私も「握る」といってしまう場合があります。しかし、「添える」です。

あくまでシャッターを押すときの話ですが、右手でガッツリとつかではいけません。ボディーとレンズの重量を右手中心で支えてもいけません。重量は左の手のひらで受け止めます。もし、どちらか片手を離すとしたら右手です、添えているだけの手ですので。

右手で重量を支えていたら、シャッターボタンを押したときにその指の動きが、手のひらばかりか腕全体にも連動し、カメラを揺らしてしまいます。「手ブレしやすい」と同じ意味です。

シャッターボタンに指を立ててはいけない

同じ理由から、シャッターを押す直前の動きは最小にしなければいけません。具体的には、指を立て気味にして先端で押してはいけません。指の腹を使って圧力を加え、シャッターが反応する直前までボタンを押し込みます。その状態を作ってから、最後にほんの少しだけ押し込みます。ひとことでいってしまうと「半押し」です。

この半押しについてはフィルムカメラの場合は例外を考えなくて済みました。今のデジタルカメラでは、機種や設定によっては半押しでは思った使い方ができない場合があります。その際にはこの趣旨を思い出し、「指の動きは最小にして、静かに押す。指を立ててはいけず、押すのは指の腹である」と意識するようにしましょう。

また、呼吸は止めてはいけません。静かに少量ずつ息を吐き続けて、その途中でシャッターを押します。

望遠レンズを使ったり、縦位置で撮ったりする場合

親指でシャッターを押すときの持ち方
親指でシャッターを押す場合、シャッターボタンを下側にして、親指で押す方法もある。自然と両わきが閉まって、全体的にも安定する。

ここまでは、標準ズームぐらいの大きさのレンズをつけ、横位置で撮る場合の話です。

縦位置で右手を上にして人さし指でシャッターを押す場合は、手のひらの付け根か手首あたりで、下側になったカメラの側面を支えます。右手を下にして親指で押す場合は、こうはいきません。やはり趣旨を思い出して、「指の動きは最小にして……」でいきましょう。

望遠などの重量のあるレンズをつけている場合は、横位置でも縦位置でも重量の中心になる位置で手のひらに載せます。

横位置であろうと縦位置であろうと、まったく写真を勉強していない人に最もありがちな「右手でガッツリつかみ、息は止め、シャッターボタンは指を立てて力いっぱい押し込む」はどこからどこまでダメです。

手ブレ防止だけではない、正しい持ち方などが必要な理由

カメラの持ち方・シャッターボタンの押し方に注意を払うのは、ここまでにでてきたように、手ブレをさせないのが最大の理由です。

カメラやレンズに手ブレ補正機能が入っている機種が増えました。しかし、全部でありません。私が常用している、富士フイルムの「X-T 2ケタシリーズ」と単焦点レンズの組み合わせも、どちらにも手ブレ補正機能は入っていません。

「自分には手ブレ補正機能が不可欠だ」としていると、むだに高かったり、好みではなかったりするカメラボディーやレンズを選ばないといけないかもしれません。

また、手ブレ補正も機能も完ぺきではない上、機能を効かせた上で自分自身でも手ブレ防止も心がけたほうが撮影の可能性が広がります。

もうひとつ別の理由があります。「最もシャッターチャンスを待ちやすいやり方」なのです。「相手がニコっと笑う」「幼児が跳びはねる」などを狙ってファインダーをのぞいたまま数十秒ぐらいならば待つことができ、その瞬間が来たときにすぐにシャッターを切れます。

カメラの持ち方・シャッターの押し方が軽視されるようになったわけ

まるでダメなカメラの持ち方
右手でガッツリとカメラをつかみ、左手はレンズをわしづかみにする。両わきも開いている。何からなにまでダメな撮り方だが、実際にはこういう人も少なくない。

フィルム時代には『写真の撮り方』といった初心者向けのノウハウ本には、冒頭のそこそこのページ数を使って、「カメラの持ち方」「シャッターの押し方」が説明されていました。

たまに、友人・知人に薦めるために、ノウハウ本を物色するのですが、今はほんの少し触れられているか、まったく説明がないものばかりです。デジカメに移行して機能が劇的に増え、説明しなければならない項目も増えました。おそらくは、押し出されてしまったのでしょう。

また、今はスマホのカメラから始める人ばかりで、まったくノウハウ本に触れることなく、デジイチ(デジタル一眼レフ)やミラーレスに進むのではないでしょうか。ネット上に情報はありますが、「カメラの持ち方」などの地味な話には、関心を持つ人は少ないのかもしれません。

ホームページを持つのだったら自分たちでも写真も撮れたほうがいい

ホームページの制作を業者に依頼しても、やってくれるのはデザインや、それをインターネット用の言語に書き換えるコーディングが中心です。写真は一般的に依頼主側が用意します。

「名刺にURLが書ければいい」程度のホームページならば、最初に作ったところから、そう大きく手を入れる必要はないかもしれません。しかし、検索流入を期待するのならば、いったんの完成後もページを増やしていく必要があります。となると、ここでも写真が撮れる人が必要になります。

もちろん、どちらもプロカメラマンが用意できればそれに越したことはないでしょう。しかし、自分自身や身近な人たちの中に写真が撮れる人がいれば、何かと重宝します。

その「写真が撮れる人」になるために、間違った方向でない第一歩を踏み出すのに必要なのが、正しい「カメラの持ち方・シャッターの押し方」です。

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