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写真の縦横比はどう決める?〜トリミング・構図・黄金比の話

滋賀県高島市大溝の乙女ケ池

縦横比は写真の印象を左右する重要な要素です。しかし、投稿する場によっては事前に決められている場合も少なくありません。一方で、自分で決められるとしても、なにを基準にしていいかわからない人もいるでしょう。

今回は、写真の縦横比の決め方について考えてみます。

デジカメのフォーマットが横3・縦2になっているのはフィルム時代からの踏襲

デジカメのイメージセンサー
イメージセンサーの縦横比は、フィルム時代から踏襲されている。しかし、フィルム時代、中判・大判といわれる、より大きなフィルムを使うカメラには正方形など様々な縦横比の機種があった。

フルサイズのイメージセンサーが搭載されているデジカメで撮ると、写真の比率(アスペクト比)は横3・縦2です。カメラボディーの設定で変更はできますが、イメージセンサーをいっぱいいっぱい使うとこの比率です。

これはフィルムカメラ時代に最も一般的に使われていた35ミリフィルムを踏襲しています。フィルムを送るために両側に刻まれているパーフォレーションまで含めると35ミリの幅があるので、こう呼ばれます。実際に映像を記録する部分は、サイズでいえば横36ミリ・縦24ミリです。

先史的な時代の製品は別にして、デジカメのイメージセンサーは小さなもので始まりました。次第に大型化し、とうとうこの横36ミリ・縦24ミリまできたので、「フル(にある)サイズ」です。

ちなみに、APS-Cサイズと呼ばれるイメージセンサーは縦横ともフルサイズの3分の2なので、比率はやはり横3・縦2です。

また、詳細は避けますが、APS-Cよりも一回り小さいマイクロフォーサーズのイメージセンサーは横4・縦3で作られています。参考までにいえば、スマホのイメージセンサーも多くの製品でこの比率です。

写真は本来トリミングしてから使うもの

近年は「スマホで撮って、そのままSNSにアップする」といったやり方に慣れてしまって……というか、それしか知らない人も増えました。ミラーレスやデジタル一眼レフで撮ろうとスマホで撮ろうと、色調補正はもちろんのこと、トリミングもしないままでホームページなどにもアップする人までいます。それも、WebライターやWeb編集者を名乗る人にまで広がっています。

構図が横3・縦2や横4・縦3でうまく収まっていても、それはたまたまです。写真は本来、トリミングをしてから使うものです。

写真の縦横比の決め方は3種類

私自身は普段からあまりに当たり前にやっていて、意識することはありませんでした。しかし、もし項目として挙げるのならば、写真の縦横比の決め方は次の3つでしょう。

①サイトや用紙の約束事に合わせる

どこに使う写真か事前に決まっているのならば、その使う場所の指定の縦横比に合わせて撮る必要があります。

あまりに当たり前の話ですが、意外にできていない人も珍しくありません。構図もなにもないぐらいに崩れてしまって、なにを見せたいのかもわからなくなっている場合まであります。

WordPressを使って運営している、この「ペンタ工房」ホームページでも最も目立つところの写真は縦横比が指定されています。このページにもある「アイキャッチ」と呼ばれる冒頭の写真です。横16・縦9の比率です。ここからはみ出た部分は自動的にカットされます。

よく見かけるものでいえば、WebならばX(旧・Twitter)のヘッダーの横3・縦1、FaceBookのカバー写真の横16・縦9などがあります。印刷やプリントならば、L判は横3・縦2、A4判は横1.41・縦1です。

②最もむだのない構図でカットする

もし、縦横比の制約がないのならば、「写真として最も効果のあるように上下左右をカットする」を考えるべきでしょう。私など、これが当たり前になりすぎていて、「横16・縦9」などと決まっていると、窮屈に感じてしまいます。

このホームページ内の「写真ギャラリー」に使った写真はすべて、このやり方になっています。

③貴金属比に合わせる

ただ、②の方針でひとつの記事のなかに何枚も写真を使うような場合、どうしてもまとまりのない雰囲気になってしまいがちです。

そういったときにおすすめなのは、「貴金属比で統一する」です。

「貴金属比」とは、「美しく感じる比率」をいくつかまとめて呼んだものです。縦横を入れ替えて考えても同じです。

最も知られているのは1対1.618の黄金比でしょう。古代ギリシャの時代にはもう知られていて、ギリシャの遺跡パルテノン神殿、フランス・ルーブル美術館所蔵のミロのビーナスなどもこの比率で作られています。

ほかには1対2.414の白銀比、1対3.303の青銅比などがあります。厳密には貴金属比ではありませんが、白金比(プラチナ比)の1対1.732もデザインのいろいろな場面で使われています。

ただ、これらのいずれもが横長・縦長すぎるので、少し使いにくいかも知れません。

実は、A4判の1.41対1(√2対1)を「白銀比」とする場合もあります。区別する場合の呼び名は「大和比」です。広く使われている上、イメージセンサーの比率にも近く、「最も無難な貴金属比」といえそうです。

縦横比はトリミングのルールや構図と連動させて決定する

「縦横比を決める」はほとんど「トリミングをする」と同じ意味です。そのトリミングにはいろいろなルールがあります。たとえば、人物写真であれば、ひじやひざ、手首といった関節部分でカットしてはいけません。

また、構図にもルールがあります。「人物中心に撮ったときは、顔の向いている方を広く、後頭部側を狭くすると安定感が出る」もそのひとつです。

これらは撮ったあとのレタッチで工夫するだけではなく、撮ったときから考えていないと、トリミングだけでは対応できない場合もしばしばです。

「なにも考えずにさっさと縦横比を決めてしまい、迷いもなくトリミングできてしまうようならば、まだまだ初心者のうち」と考えたほうがいいかもしれません。実際にそういう人をたまに見かけます。

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