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フルーツ大福を形を崩さずに真っ二つにし、おいしさが伝わるように撮影する

嶋屋のいちご大福

おまんじゅうのおいしさを写真で伝えるには、真っ二つにして断面を見せたいところですよね。ただ、どれだけ切れ味のいい包丁を使っても形を崩してしまいがちです。実は、これは糸でカットすれば問題解決です。

今回はおまんじゅう類の中でも特にカットが難しいフルーツ大福を題材にし、カットと撮影を実演します。

細めのタコ糸で締め上げる準備と手順

カットは次のような手順で進めましょう。

大福は冷やして固くしてから使う

冷蔵庫に入れた嶋屋のいちご大福
せっかくのつきたてのもちが使われているが、撮影のためには冷蔵庫で冷やして固くしたほうがいい。

買ってきたフルーツ大福は冷蔵庫に入れて冷やします。もちろん、固くするためです。そうしないと、カットの際や、お皿などに盛り付ける際に崩れてしまいます。

今回の撮影は真冬だったので必要ないかとも考えました。しかし、一晩置いてもまだ柔らかかったので、冷やして正解でした。

ただ、これはどこの商品かにもよって変わってくるでしょう。

細くて丈夫な糸ならばなんでもOK

糸は細くて、使っているうちに切れない程度の丈夫さがあればOKです。この条件を問題なく満たし、比較的手に入れやすいものといえば、細めのタコ糸です。今回も使用しました。

輪っかを作り、大福の周りに引っ掛けます。あとはこれを締め上げていくだけです。

中身のフルーツの位置はどう確認する?

嶋屋のいちご大福をタコ糸で切る
最大のコツといっても、包丁の代わりに糸を使うだけ。糸の食い込み方を確認しながら、ゆっくりと引いたほうがきれいに切れる。

欲しい断面はフルーツごとに違います。みかんであれば横に切りたいでしょうし、いちごならば縦でしょう。

「中身のフルーツがどういった方向で入っているか」が気になるところです。お店の人に尋ねてみるしかないですね。それぞれの作り方があるでしょうから。

ただ、今回使った嶋屋(滋賀県大津市)のいちご大福にかんしていえば、細くなったほうを上にして、求肥(ぎゅうひ)ともちで包んでありました。また、わざとなのかどうかはわかりませんが、この細い先端はカツカツ外にでないぐらいになっていました。赤い色が透けて見えるのです。

糸の輪っかをこの赤い部分にかかるようにすると、ちょうど縦に切れました。

「糸はゆっくり引いたほうがいいのか? 素早くか?」については、結論を出せるほどの経験はありませんが、今の時点では「ゆっくり」です。以前、同じ嶋屋のアメリカンチェリー大福を、食い込み方を指の感触で確かめながら締めたところ、チェリーの片側に種を残したまま切ることができました。

一段上の撮影には単焦点レンズと小道具類も必要

きれいにカットできたら、お皿に盛って、窓際の明るいところで撮りましょう。これで一応はOKです。

ここから先は、「せっかくだから、ちゃんとした写真にしたい」「いつまでも初心者ではいたくない」という人たちのための話です。

レンズは単焦点の標準か中望遠があったほうがいい

フルーツ大福の断面の撮影など、いわゆる「ブツ撮り」に適したレンズは肉眼の視野に近いとされる「標準レンズ」か、それよりも少し望遠寄りの「中望遠レンズ」です。

スマホしか使わなかったところから脱却した人が初めて買うのは、多くの場合、「標準ズームレンズキット」でしょう。「エントリークラス」と呼ばれる安めのカメラボディーと標準ズームレンズの組み合わせです。

ズームでカバーする焦点距離に「標準」や「中望遠」は含まれてはいます。

しかし、製品によって違いはあるものの、一般的に望遠側で使う場合に「最短焦点距離」は長めです。早い話が、被写体に近づいて撮れないのです。フルーツ大福のような小さなものを撮る場合、主役は中央にちょこんとあるだけで、周辺はスカスカの写真にするしかありません。

近づいて撮るために特に設計された「マクロレンズ」という製品もあります。そこまではいらなくても、単焦点の標準レンズぐらいは欲しくなるところです。ズームレンズと標準レンズでは、同じ焦点距離で使うにも、単焦点のほうが近寄れるのです。

三脚・撮影ボックスも欲しい

発色やお皿のてかりまで制御するのならば、撮影ボックスも欠かせない。

小さなものをできるだけ近づいて撮る場合、ほんの少しのピントのズレを直し、上下左右のアングルなどを調整しなければいけません。手持ちの撮影では不安定で、対応が困難です。三脚は不可欠です。ちなみに、今回、いちご大福の断面の写真はすべて三脚を使って撮っています。

気にしない人も多いかもしれませんが、できればお皿などへの光源の嫌な映り込みも避けたいところです。となると、「撮影ボックス」も必要です。実際、今回も一部では、撮影ボックスに入れて撮影しています。

お皿などの小物類は百均製品を利用する

あと、必要なのはお皿、背景紙、下に敷く布などです。

今回撮ったのは白い大福でしたので、暗い色のお皿は不可欠でした。実際には、「透明なガラス皿」と「下に敷く黒色のフェルト」の組み合わせを、この代わりに私はよく使っています。暗い色のお皿は、どうしても目立ってしまう上に、画面を重くしてしまいがちな気がしていますので。

こういった小物類は、慌てて買いに走らなくていいようにある程度のものは普段からそろえています。実は大半が百均製品です。

初心者向けレンズの限界を超えたところにあるのが、フルーツ大福のブツ撮り

白いお皿に載せた嶋屋のいちご大福
白いおさらは透明感があるので、できれば使いたい。工夫次第で白いものが溶け込んでしまうのも避けられる。

「フルーツ大福の断面を自分でも撮ってみよう」と思って読んでいた人が、最も大きなため息をついたのは、「単焦点の標準レンズぐらいは欲しくなるところです」ではないでしょうか。

標準ズームを「なんでもこれ一本で間に合うレンズ」と思っていた人も多いかもしれません。標準ズームにも多少の種類はあります。キットで組み合わされていたような標準ズームに限定すると、調理器具でいえば三徳包丁(文化包丁)です。「肉、魚、野菜など何にでも使えるが、本気で料理人になろうという人が使う道具ではない」といったところです。

少し話のハードルを上げてしまったかもしれません。しかし、一方の単焦点の標準レンズは決して“専門包丁”ほどには特殊なものではありません。

広報担当者やライターなどで、特にブツ撮りの機会の多い人はぜひとも1本持っておきましょう。工夫の幅が広がり、ブツ撮りが楽しくなるかもしれません。

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  1. 綾瀬はるか より:

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