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ホームページ制作でいう「おまかせ」「格安」とは、どういったこと?

ホームページ制作でいう「おまかせ」「格安」とは、どういったこと?

地元でホームページ制作業者を探そうとググる場合、検索ワードは当然、「滋賀県:ホームページ制作」や「大津市:ホームページ制作」などでしょう。

私の手元でわかる範囲では、もうひとこと足す人がすくなくありません。「滋賀県:ホームページ制作:おまかせ」、あるいは「大津市:ホームページ制作:格安」といった具合です。

業者側でもわかっているので、多くのところが「丸ごと全部おまかせ」「どこよりも激安」などをアピールします。

ただ……内容を聞いてみて、「期待したのと違う」となる依頼主も少なくないようです。

「全部おまかせ」は、「全部」ではない

実際にネット上で見かけます。「ホームページ制作は全部、○○社におまかせ! あとは文章と写真をお送りいただくだけ

私にすると「料理屋が『ご飯やおかずはお客様が持ってきてください。食器の用意と盛り付けはこちらで全部いたします』と同じ」と思えるのですが……

「全部おまかせ」に安心したくなる依頼主の心理

「全部、業者におまかせ」にしたくなる依頼主の気持ちもわかります。ホームページ制作で出てくる言葉の大半が、それまでの人生で見聞きしたことがないものでしょう。口を挟めないのです。

家の新築ならば、「全部を業者におまかせ」にするか?

建築士と依頼主が設計図を見ながら打ち合わせをしている様子 - ホームページ制作でも同様の打ち合わせが必要(制作:ペンタ工房)
建築会社に家を建ててもらうのも、制作会社にホームページを作ってもらうのも、業務委託だ。家の場合、「自分はよくわからないので、全部おまかせします」という依頼主はほとんどいないだろう。一方、ホームページ制作ならば、当たり前にいる。また、出来上がりの良しあしも多くの依頼主にはわからない。制作会社にしたら、こんな楽な仕事はない。

たとえば、自宅の新築工事だったらどうでしょうか? 「子供部屋は2階にして、南東の隅がいい」「台所はこのままでは使い勝手が悪そうな気がする。 戸棚の数はこのままでいいのだろうか?」「予算は見直すから、柱と壁はもっといい素材を使ってくれ」などなど、いくらでも自分の意見がいえるでしょう。

当然、建築士などとも十分な打ち合わせもするのではないでしょうか。間違っても「よくわからないから、建築士と建築会社に全部おまかせ」とならないはずです。

「素人は口を挟まず、専門家任せ」は正しいか?

一方、ホームページ制作になると、「レスポンシブデザイン」や「WordPress」「SEO対策」「コンテンツマーケティング」といった、これまで聞いたことがない言葉が次々と出てきます。おそらくは説明を聞いても実感は持てないでしょう。

「自分は素人だし、相手は専門家だ。余計な口出しはせずに、全部お任せのほうがよいホームページができるだろう」と思ってしまうのも、一見無理はありません。

まともなホームページは、完全オーダーメード

    問題は……

    • 信用してよいホームページ制作会社などほんのひとにぎりしかいない
    • たとえ、業者がまともでも、ろくに打ち合わせもなしでは作れない

    ……点です。

    「どんな人にサイトに来てほしいか」「なにを伝えたいか」「予算はどこまで出せるか」などを詳細に打ち合わせないと、まともなホームページは無理です。

    「完全オーダーメードで作るのが、ホームページ制作の基本」と覚えておきましょう。当然、打ち合わせで業者に”手玉に取られ”ないよう、依頼主側にも一通りの知識は必要です。

    「楽して安くて、十分な成果」などない

    「丸投げで済んで……値段も安く……期待したか、それ以上の内容」といったサービスはないとはいいません。しかし、あれば奇跡です。まして、自分の側はそのサービスの内容をよく理解していません。評価もまともにできません。「覚悟して手を出してください」ぐらいはいわせてください。

    ホームページ制作では「文章と写真はお客様でご用意」以外にも値段を安くする方法はいくつもあります。ただし、どれも品質が下がるのと引き換えです。

    安くできる理由1 作業者の賃金が低い

    ホームページ制作の外注構造 - 営業担当が受注し低賃金の外注フリーランスに丸投げする仕組みのイラスト(制作:ペンタ工房)
    「会社」といいながら、実は「一人社長」で、「スタッフは全員外注のフリーランス」も珍しくはない。採用は、スキル重視とは限らない。ベテランは報酬が高い上に、経験の浅い社長にしたら扱いにくい。

    以下は、今さっとX(旧・Twitter)で拾ってきたホームページ制作関係者の声です。(※表現は少し変えています)

    • ある人は制作単価を倍にするために、会社やお店への直営業に特化しました。 そのために、業務は全て外注化……
    • ホームページ制作って、外注しまくれば作ることはできます。ただ、検索順位は上位には来ません。
    • 営業がすごく得意な人がホームページの会社を立ち上げました。 作業内容は本人はまったく無知なので外注していました。トラブルが出ると対処できないんですよ。

    細かい話は省略します。「それもひとつのやり方」といったところですが、いずれも次のことを示しています。「Webデザインやコードなどを自分でいじっていては収入はアップしない。自分は仕切る側に回って、実際の作業は外注(業務委託)の人に任せる」

    もちろん、”外注さん”の報酬は安ければ安いほど、お客様に提示する制作費は安くでき、競争力がアップします。

    また、スキルさえ問わなければ(ここが問題なのですが)、いくらでも安い金額で引き受ける”外注さん”はいます。短期間の講座を受けるか、まるっきりの独学で始めた人たちがたくさんいるのです。

    安くできる理由2 テンプレートを利用

    「テンプレート」とは「型」のことです。決まったパターンを数個用意しておいて、当てはめるだけです。これならば、Webデザイナーもコーダーも不要です。

    アンケートをもとに簡単な文章を入れるだけ

    実はこのテンプレート利用の超格安ホームページ制作のディレクターをやったことがあります。「ディレクター」といっても、制作に直接かかわる部分はやはり「使い回し」で済むので、ほとんど依頼主相手の連絡係です。

    しかし、これが大変でした。

    ホームページ制作は通常、「文章と写真はお客様の持ち込み」ですが、ここはやや違いました。

    • 文章はお客様に書いてもらったアンケートからこちら(私)が書く
    • 写真は基本的にはお客様の持ち込み。もし、なければ業者側がストックしてる写真の中から選ぶ

    料金は月額制で、2,000円ぐらいだったはずです。

    もしかしたらないほうがマシ?

    「アンケート」はごく簡単なものです。数行をもとにして、私の方も数行書きます。もちろんたいした内容にはならず、当たり障りのない文章にしかなりません。

    送ってきた写真は「画面の半分は地面、会社やお店の建物が遠くに見えるだけ」といった具合です。「会社やお店がみすぼらしく見える」と思っても、やり取りの面倒臭さを考えたら、そのまま使うしかありません。

    私が得る報酬も微々たるものです。ただ、「簡単なことをやるだけだから、”回転”を上げればそう悪くない」と思って始めました。

    大きく当てが外れました。「アンケートをもとに書いた文章のチェックの返事が来ない」「写真は数回催促しないと送ってこない」などで、2カ月ぐらいはかかるのです。その間こちらはずっと気に掛けたままです。

    依頼主にしたら、「これだけ安いのだから、とりあえず持っておこう」と身が入っていないのでしょう。こちらも「これだったら、あってもなくても一緒だ。訪問者などいないだろう。万が一、見る人がいたらむしろイメージダウン」と思ってもアドバイスできません。

    結局、そのディレクターはごく短期間でやめました。

    安くできる理由3 受け渡したら終わり

    「ホームページは、効果が上がっているかどうかチェックし、改善するべきところは改善する。そうしないと、作っても効果を発揮しない」とよくいわれます。Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の「PDCAサイクル」が必要なのです。

    それには、ホームページ制作をきっかけとした、業者と依頼主の付き合いなしでは成り立ちません。

    しかし、格安ホームページは作って、「公開しました」の連絡をしたら終わりです。業者も依頼主も、「訪問者が月に何人いるのか」すらチェックしません。読む人が一人もいなくても、だれも気が付かずそのままです。

    このような格安ホームページを制作する側は、そもそも作っている最中からして効果はまったく気にしていません。あんな安い料金で、当然、自分が受け取る報酬も激安で、気にしていたら身が持ちません。

    丸投げ・格安は「多くの人に、自分たちの情報を伝えたい」にはならない

    業者に丸投げで作ったホームページでも、テンプレート利用の激安ホームページでも、一見それっぽく見える程度には作られています。特に業者に丸投げにした場合、依頼主が喜ぶようにアニメーションを多用し、画面が派手に動き回るようにも作ります

    しかし、「少しでも多くの人に見てもらう」「自分たちの会社やお店のいいところを知ってもらう」というホームページ本来の目的は失われています。業者も、だれよりも依頼主自身もそういった方向を目指していません。

    ネット上に文字や写真が並んでいるだけです。それもほとんど意味がない、あるいは、質の低い文章や写真です。

    「名刺にURLが書ければよい」に潜む危険性

    格安ホームページを見て呆れる求人応募者や取引先候補 - 安っぽいサイトが原因で機会損失するイラスト(制作:ペンタ工房)
    就職希望者や、新規の取引先を探している人は、相手の企業のホームページは必ずチェックするだろう。「作ってあるだけで十分。名刺にURLを書くだけのためにある」などと思っていると、思わぬしっぺ返しに合う可能性がある。

    確かに「ホームページは形だけあればよい。名刺にURLが載せられればよい」という依頼主もいます。

    そういったホームページは読まれることを最初から期待していないので、少々ひどいものでも実害はないように思えるかもしれません。

    しかし、実は「本当にその会社やお店の情報が欲しい人」に限って訪問する場合があります。なにかキーワードを決めてググり、見つけてくるのではありません。SEOもやっていないのに、それで来るはずがありません。

    ダイレクトにその会社やお店の名前でググってくるのです。たとえば、「求人情報で知った就職希望者」「あなたが名刺を渡し、それがきっかけで取り引きを検討している人」などが考えられます。また、実際にあります。

    そういった人たちが、「丸投げ」「激安」がひしひしと伝わる、あなたの会社やお店のホームページをチェックするのだとしたら……もしかしたら、「実害」につながるかもしれません。また、知らないだけで、すでに「実害」があったかもしれません。

    新しい仲間になっていたかもしれない人や、新しい取引先になっていたかもしれない相手が、ホームページを見て落胆し、逃げていったかもしれません。

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