ホームページ制作では専門別分業がスキルを下げ、作業ロスも増えるわけ
制作業者自身のホームページを見ると、それぞれの専門ごとのすばらしいスタッフが集結しているように説明されています。ホームページ制作にはWebデザイナー、コーダーなど特別なスキルを持った人たちが必要ですから、制作業者側としては当然のアピールでしょう。
しかし、「実力があり、良心的な制作業者」「依頼主(お客様)も費用を惜しまない(値段が高くてもよい)」の2条件がそろわない限り、実際には「専門家」とか「エキスパート」と呼べるほどの担当者はいません。あなたが制作を依頼したホームページも見かけ倒しのものに終わります。
目次
いくらでも省略できる? ホームページ制作に必要な人とスキル
本来ならば、依頼主側にも受注側にも、しっかりとした体制を組むのが必要です。しかし、現実には最小限の人とスキルで間に合わせています。
Webデザイナーとコーダーがいれば、見かけだけのものはできてしまう
安く、短期間で、しかも手間いらずで作るには、SEOだの文章・写真の質だのを問わなければよいだけです。実際、ネット上にはそういったホームページであふれています。違う言い方をすれば、写真と文字さえ、そこそこ見ばえがするように並べて、それを「ホームページ」と称しています。
これならば、Webデザイナーとコーダー、あとはWordPressへの実装者(デザインや文字をネット上に反映する信号に変える人)ぐらいでできます。
ライターやカメラマンの確保は制作業者には面倒すぎる

もちろん、文章や写真がないと、「そこそこ見ばえがするように並べて」もできません。
にもかかわらず、大半の制作業者は「文章と写真はお客様でご用意ください」としています。
その「ご用意」された文章や写真もほぼそのまま掲載します。手を入れるとしても、写真ならばレイアウトに合うように縦横をカットする程度です。
料理店でいえば、「米・野菜・肉はお客様が持ってきてください」ですらありません。「調理すらせず、持ってきてもらった食材を盛り付けするだけ」といったところです。
もちろん、これでは「文章や写真の用意はうちでは無理だ。依頼もあきらめる」といったお客様もでるでしょう。そこで、ストックサービスの写真を利用して、ページで取り上げられているのとは直接の関係のない、雰囲気だけよい写真(イメージ写真)を使います。
あるいは、「プロ用のカメラがあるので、お撮りできます」と提案します。撮影スキルに触れないぐらいなので、どういった写真になるかはだいたい想像がつくでしょう。
こうやって、あの手この手でライターやカメラマンの確保から逃れます。
格安制作では”テンプレート”を当てはめるだけ
さらには、Webデザイナーやコーダーさえなしで、ホームページを作ってしまう業者までいます。作り置きのテンプレート(型)を利用するのです。
ごく短期間ながら私(工房主)がディレクター(?)として関わったところでは、数パターンのデザインを用意していました。依頼主にはその中から選ばせます。色なども「メインカラー」「サブカラー」ぐらいまでは選べます。
もちろん、文章や写真は基本的には依頼主の持ち込みです。また、ストック写真は不十分ながらもその社が用意していました。「『クリスマスセール』ならば『サンタクロースの写真』を使う」といったやりかたです。
極端な低料金が可能です。ただし……ホームページを持つ目的は、一般的には「できるだけ多くの人に、自分たちに関する情報を伝えたい」でしょう。本来必要なはずの人やスキルを削るほど、「多くの人」には届かないし、「情報」も貧弱になります。
中途半端な分業体制が持つわな
ホームページ制作には、Webデザイン・コード制作などだけではなく、企画も必要ならばSEOにも目を配らなければなりません。分業体制になるのはあまりに当たり前です。ただ、一見専門家がそろっているように見えても、その実力には疑いの目を持って見る必要があります。
実際の作業者には外注のフリーランスが多い

ホームページ制作業者は中小企業ならばよい方で、大半が零細です。「一人社長」も珍しくありません。自社ホームページなどで「優秀なスタッフ」とアピールしていても、社員とは限りません。今の時代ですから、「外部委託のフリーランス」というだけではなく、まったく出社しない「完全リモート」も当たり前にいます。
もちろん、そういった中にも、優秀なWebデザイナーやコーダーもいるでしょう。しかし、雇う側にすればできるだけ安く済ませたいのは当然です。「ベテラン」「スキルの高い人」はその賃金の高さゆえに、避けられがちです。
これには……
「ちゃんとできているかどうかは、大半のお客にはわからない。本物のスキルなど持っていなくても間に合う」というホームページ制作業界ならではの事情もある
……のは申し添えておきます。
実際、どのような人を集めているかは、求人内容を見ればおおよそのところはわかります。気になる方は、求人サイトなどでご確認ください。
持ち場が限られているから、過剰な自己アピールをする
「自分が任された範囲を精一杯がんばりたい」という作業者は普通ならば大歓迎です。
しかし、ホームページ全体のバランスを考えると、「派手なWebデザインはいらない。むしろ、抑え気味のほうが内容に合う」「勝負どころはWebデザインやコーディングではない。文章の内容だ」となる場合もあるでしょう。となると、やる気のありすぎるWebデザイナやコーダーへの対応に困るかもしれません。
もし、抑えきれなければ、「意味もなくアニメーションを多用するなど、作業者はスキルの高さをアピールする。だけど、長々としたアニメーションが終わったと思ったら、そこには必要な情報はなかった」となりかねません。実際、そういったホームページを日常的に見かけないでしょうか。
また、多くの制作業者はWebデザイナーかコーダーの出身です。「スキルの高さを一生懸命アピールしたから、仕事がうまくいった。会社化もできた」との成功体験も持っている場合も少なくないでしょう。自分も経てきた道なので、Webデザイナーらのがんばりすぎの問題にも気が付かないようです。
必要なのに抜け落ちるジャンルも多い
スタッフの充実ぶりを誇る制作業者でも、必ずといっていいぐらい抜け落ちている役割分担があります。
その代表は「SEO」の担当者です。SEOとは「Googleなどでの検索で、上位に持ってくる技術や工夫」です。Webデザイナーとコーダーの共同作業で進めるのもひとつの手ですが、それでは不十分です。「ウェブ解析士」が最もストレートな担当者ですが、いなくてもその役割を実践する担当者は必要です。スタッフに加えている制作業者は、ほぼ聞いたことがありません。
実際、いないのでしょう。「ホームページ制作業者自身のホームページ」でさえも、大半はろくにSEOができていません。
「『お客様でご用意ください』とした文章や写真はだれがチェックするのか?」も恐ろしい問題です。文章・写真に対応するのは「編集者」の役割です。これも、制作業者はどこも全部といっていいぐらい、影も形も見えません。
そもそも、「日本語がおかしい」レベルの業者自身のホームページも当たり前にあります。こういったところに制作を依頼すると、当然、誤字脱字も素人丸出しの写真もそのまま出るでしょう。
それでも、普通は分業体制は不可欠
ホームページの制作には多種多様のスキルが必要です。分業体制になるのは避けようがありません。問題を大きくしているのは、「中小企業・零細業者でもやったふりをできる程度のレベルの中途半端な分業でしかない」と「お客(依頼主)にはブラックボックスすぎて、その業者の分業体制の良し悪しに疑問すら持てない」です。
分業体制のキーマンはプロデューサーやディレクター
分業体制を運営するのに不可欠なのが、プロデューサーやディレクターです。
プロデューサーは「予算やスケジュールを管理し、各担当者の作業を調整する。ホームページ制作の企画全体の責任者」です。一方、ディレクターは「現場の責任者として、デザインやコーディングの方向性を決め、品質を管理する」と説明されます。
とはいえ、「この両者でどう役割分担をするか」、あるいは、「2人に分けるか、1人で兼任するか」など実際の現場ではさまざまです。
両者合わせて「全体を見渡せる位置から、作業の進行や品質を管理する立場」と考えればよいでしょう。ホームページ制作はそれだけ複雑なことをやっているのですから、あって当然の役職ではないでしょうか。
人をそろえれば、雪だるま式に費用はかさむ
プロデューサーやディレクターを置くと、進行にはチェックが入り、作業も緻密になると期待できます。しかし、一方で、それまでなかった連絡・調整・会議などが発生します。これは、Webデザイナー、コーダー、ライター、カメラマンらの負担増になるでしょう。それも、大幅な負担増かもしれません。
完成までの時間がかかり、スタッフの負担も増え、作業も多くなるのですから、当然コストがかさみます。「制作費が高くなる」ということです。中小企業や地元相手の商店では負担しきれないかもしれません。
また、プロデューサーやディレクターになる人には、豊富な経験・人をまとめる力・全体を見渡す視野の広さなども必要です。一般的な制作業者で確保できる人材ではありません。それも考えると、ホームページ制作会社もとびきりの大手限定で可能な体制です。その分、また制作費が割高になります。
これらを考えると、手を抜いた体制でつくられた安い値段のホームページが横行するのも、ある意味当然でしょう。
制作からコンテンツまでカバーのペンタ工房のメリットとデメリット

「制作からコンテンツ(文章・写真)まで一括対応・一括請負をする。元新聞記者・カメラマンが一人でやる」という全く違う体制をとっているのがペンタ工房です。
もちろん、限界もあります。大型のサイトには時間がかかりすぎるのです。大企業・有名企業にふさわしいだけのハイセンスなデザインもできません。
ただし、担当者間の連絡・調整・会議などは不要です。その分、制作期間は短くてすみ、コストも安くて済みます。「必要なときだけ募集をかけて採用した、能力もよくわからない作業者」も参加しません。依頼主にしたら、連絡をとる相手も一人で済みますし、「その作業はだれがやってくれるのか? 信頼していい担当者なのか?」の心配もありません。
完成までの期間は短い・制作費が安い・交渉事もシンプル……といった特徴があるために、中小企業や地元向け店舗のホームページ制作にこそ、ふさわしい体制だと自負しております。
特に、文章執筆と写真撮影まで本物のプロが担当する例はありません。少なくとも滋賀県内ではそうです。
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