ホームページ制作業者の掲げる「SEO対策にも強い」にご注意
ホームページ制作業者自身のホームページをチェックしていると、多くのところが「SEOにも強い」とアピールしています。あるいは、ネット上には「SEOに強い滋賀県の制作会社10選」といった、業者をまとめて紹介するサイトも少なくありません。
しかし、注意が必要です。スーパーマーケットがアピールする「どこよりも安い」、不動産屋の「お客様の身になって」と同じぐらい意味がありません。それどころか、実は制作業者の大半はSEOには素人です。
目次
SEOの内容は知っていますか?
すでにホームページを作ってもらった人・これから依頼しようという人がだまされるのは、SEOが「今までの生活の中で関わる必要がなかった、まったく新しいもの」「だけど、『ホームページには不可欠なもの』とのイメージだけは持っている」のせいでしょう。
検索にかからなければ「世の中に存在しない」のと同じ
Googleなどの検索にかからなければ、せっかく作ったホームページもだれの目にも触れません。読む人がいたとしても、ホームページを所有している人など、直接的に関係する人ぐらいです。
正しいキーワード選択があってこその検索
ここで重要になる点のひとつが「キーワード」の選択です。「自分のホームページに来てもらいたい人が、なんの言葉で検索にかけるか。それを予想して、ホームページの記事などに盛り込む」が必要です。
たとえば、来てもらいたいのが「湖西線沿線にあって、琵琶湖の眺めの素晴らしいホテル」を探している人ならば、キーワードは「琵琶湖・湖西線・ホテル」あたりです。これらの単語で検索しても上位に表示されなければ、検索した人はそのホームページの存在は知らないままになります。
目指すのは検索の「1ページ目」
検索順位の一応のメドは、次のとおりです。
- 1〜10位(いわゆる、「1ページ目」):ほぼ確実に検索した人の目に触れる
- 11〜40位台:ここまで見に来る人はいるかもしれない。しかし、クリックしてホームページに来てくれる率は下がる
- 50位以下:クリックはほとんど期待できない
- 100位以下:限りなく「存在していない」に近い
もちろん、「なにをキーワードにするか」で順位は大幅に変わります。あるいは、「自分のところのホームページがうまくできていなくても、ライバルが弱いので上位に来る」も、その逆もありえます。
SEOとは「検索順位を上げるための技術」
だからこそ、ホームページに不可欠になるのがSEOです。「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
「Optimization」には「効率良くなるように調整する」の意味があります。「対策」とほぼ変わりません。「重語」になるのですが、「SEO」だけではわかりにくいので、しばしば「SEO対策」とも呼ばれます。
どちらであっても同じで、「ホームページが検索結果の上位に表示されるための技術。あるいは、工夫」です。
SEOには3種類ある

SEOと一口にいっても、実は大きく分けて3つの種類があります。ここではまず、「コンテンツSEO」と「オフページSEO」のふたつに触れます。
コンテンツSEO(Content SEO)
ウェブサイトに掲載されるコンテンツ(文章、画像、動画など)を最適化するものです。ユーザーの検索意図に合致し、価値のある情報を提供することで、検索エンジンからの評価を高めます。
担当するのは主にライターです。もし、編集者がいれば主役は編集者に移ります。
- キーワード選定と分析
- 記事構成の最適化
- 見出しタグ(H1、H2、H3)の適切な使用
- 画像のalt属性設定
- メタディスクリプションの作成
- 内部リンクの適切な配置
- コンテンツの更新・追加
- ユーザー検索意図の分析
おそらくは、100人中99人までがちんぷんかんぷんでしょう。いわゆる「ブラックボックス」です。
オフページSEO(Off-page SEO)
ウェブサイト外からの評価を高めるための対策です。主に他のサイトからのリンク(被リンク)獲得などがこれに該当し、サイトの信頼性や権威性を向上させます。
主にホームページが公開されたあとの作業です。ですから、依頼主自身でカバーするのが本来です。しかし、現実には難しいのではないでしょうか。SEOの専門家に頼るか、あるいは、制作会社によっては「アフターフォロー」としてサービスに加えている場合があります。
- 被リンクの獲得
- 一定レベルのSNSでの拡散・共有
- 他サイトからの言及・紹介
- ディレクトリ登録
- ローカルビジネス登録
- プレスリリースの配信
- インフルエンサーとの連携
言葉の難しさはコンテンツSEOほどではないかもしれません。しかし、実際になにをやるのかになると、やはりブラックボックスではないでしょうか。
制作会社がカバーするとしても技術的SEOだけ

残るひとつが「技術的SEO」です。実は制作会社が直接的に触れることができるのは、これだけです。
技術的SEO(Technical SEO)
技術的SEOとは、「検索エンジン(主に、Googleのプログラミングを指す)がホームページを正しく認識・評価できるように、ホームページの構造を作りったり設定の調整をしたりする」ことです。
主にWebデザイナーやコーダーがこれらの作業をします。また、本来はそこまで目配りができていなければいけません。だからこそ、制作業者がカバーする範囲なのです。
具体的には、以下のような項目があります。コンテンツSEO以上の「ブラックボックス」でしょう。
- HTTPS化(SSL証明書の導入)
- モバイル対応(レスポンシブデザインの実装)
- ページ速度(Core Web Vitalsの最適化)
- サイトマップ(XMLサイトマップの作成と送信)
- 構造化データ(Schema.orgマークアップの導入)
- robots.txt(クロール制御設定)
- canonical(重複コンテンツ対策)
- 404対策(エラーページの最適化)
- CDN導入(配信速度の向上)
- AMP対応(モバイル表示の最適化)
- reflang(多言語対応)
- アクセシビリティ(WCAG準拠)
- 内部リンク(適切なリンク構造の構築)
- 監視・分析(Search Consoleなどのツールを活用したサイトの健全性チェック)
ディレクターやプロデューサーもいたほうがよい
技術的SEO、コンテンツSEO、オフページSEOのどれもが、これだけ複雑です。関わる人も、Webデザイナー、コーダー、ライター、カメラマンのほか、編集者もいるかもしれません。
となると、3種類のすべてのSEOに目配り・気配りをし、関わる人たちを取りまとめるコントロールタワーも必要です。とくに、ページ数も多い大型のホームページならば不可欠です。
これを用意するのも制作会社です。このコントーロールタワーは、業者によって役回りが多少異なりますが、「ディレクター」や「プロデユーサー」と呼ばれます。
つまり……
技術的SEO・コンテンツSEO・オフページSEOにまで目が行き届いている
……があって初めて、「SEOに強い制作会社」といえます。
悲惨! 制作業者自身のホームページ

「これだけのことをやるんだから、ホームページ制作業者はすごい。さすが専門家!」とも思ったかもしれません。しかし、現実には制作業者がカバーするはずの 技術的SEOさえできていないのが珍しくありません。
ホームページ制作会社自身のホームページをチェックする
あくまで簡易的で間違いが多く、信頼性もいまひとつですが、「ホームページにSEOがちゃんと施されているか」をチェックする方法があります。ネット上に「URLとキーワードを入力するだけで、SEOのチェックができる」とするサイトがいくつもあるのです
上の画像はそのうちのひとつ、無料&高評価SEOツール「高評価」で、「SEO対策に強い」としている制作業者自身のホームページをかけてみた結果です。キーワードは「ホームページ」としました。
最初のものは東京都の業者です。「文字数が多いばかりで、ほかのことはまったくできていない」のがレーダーチャートからわかります。「41点」では、プロとしておおいに疑問符が付くところですが、このレベルの業者は決して珍しくありません。
ふたつ目も東京の業者です。さすがにここまでひどいのは珍しく、「ホームページとして成立していない」というしかありません。
ちなみに、このペンタ工房のホームページは「ちゃんと作ってあるのに、見落とされている」があっても82点でした。
ぐるぐる回るホームページは依頼主に対する目くらまし
自社のホームページでさえ満足に作れないホームページ制作業者が当たり前にいる。ならば、なぜ、あんなにも多くの業者が成立しているのか?」が気になるところかもしれません。
理由はいくつかあると考えています。
- SEOはどれも「ブラックボックス」なので、依頼主はチェックしようがない
- そもそも制作業者に依頼したのは、丸投げしたいから。依頼主の多くはできあがったホームページの完成度をチェックしようとは思わない
- 制作業者はアニメーションを多用し、画面に動きをつける。色使いなども派手目にする。これで依頼主は「さすが、プロの技だ」と納得してしまう
制作依頼もアウトソーシングとしての注意を忘れずに
ホームページ制作の依頼も、実はアウトソーシングの一種です。経理や人事のアウトソーシングと本質的に変わりません。
丸投げは厳禁です。また、ホームページ制作について一定レベルの知識を持つようにしましょう。でないと、「『SEOにも強い』とアピールしておきながら、実は21点」の業者も避けられません。欠陥ホームページを納品されても気が付きません。
最後にひとつ、知り合いのホームページ制作業者に教えてもらった話を紹介しておきます。「ほかの制作業者から、『その制作業者自身のホームページ制作』を受注した」というのです。つまり、「自分のところのホームページさえ作れない業者がいて、そういった業者もお客さんからの仕事を受けている」ということです。
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