1. ホーム
  2. /
  3. ブログ
  4. /
  5. カメラ・写真撮影
  6. /
  7. 「カメラ・写真 Zoom質問会」質問内容と、現段階での回答

「カメラ・写真 Zoom質問会」質問内容と、現段階での回答

カメラ・写真 Zoom質問会

「カメラ・写真 Zoom質問会」を3日後に控えた5日午前、出席者に対し、お願いをしました。

「すでにお聞きになりたいことがある方は、できますれば事前にお教えください。準備して質問会でお答えします」

その結果、すぐにいくつかの質問をいただきました。8日を待たずに、回答できるところは回答します。そのほうが質問会の内容が濃くなると思いますので。

目次

Q:自然光を活用した撮影のコツを教えてください。

「自然光を使いこなせれば、自然できれいな写真が撮れる」とのイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、「自然光だけ」で撮るには、それはそれでスキルが必要で、けっこう面倒です。

「自然光だけ」では光を当てきれない部分に、撮影用LEDを補助的に使う

自然光のみで撮ったショートケーキ
窓からの光だけで撮った。窓は後ろにあり、逆光気味になっている。

まず、前提として……

①「スタジオ内で撮って、カタログに使う」レベルではなく、「取材先で撮って、Web記事などで使う」レベルの写真である

……としますね。

また、「自然光」を……

②外からの光が取り込める部屋で、テーブル上の料理やスイーツを撮る。あるいは、同様の条件での物撮り

……で考えているとします。

だとしたら、自然光だけで条件を整えるのは、多くの場合、困難です。

・窓とは逆のサイドは陰になってしまう。
・窓が撮るものの後ろにある場合は、まったくの逆光になる。
・これに対応するには、「リフレクター(白色や銀色の反射板)」を立てて、反射光で陰を拾う必要がある。
・リフレクターをWebライターが持って歩くのは現実的ではない。

撮影用LEDがひとつあれば、ほぼ解決します。自然光をメインにして、光の足りない方向から当てます。

初心者ならば、クリップオン(カメラのてっぺんにつける)にして、無条件に使ってもいいぐらいです。

おすすめの撮影用LED

撮影用LEDをクリップオンで使用して撮ったショートケーキ
窓からの光だけでは逆光気味になるため、クリップオンで撮影用LEDを弱めに当てた。

おすすめしているのは、次のふたつです。

Panatiroy ミニ

GODOX LED64 LED

両方ともいろいろな販売元が違う名前で出しています。うまく探せば、あと少し安い値段のが見つかるかもしれません。

今は充電式で、色温度(≒光の波長)を変えられるものが主流のようです。これらは太陽光に近い波長だけですが、乾電池式です。予備の電池さえ持っていれば、現場での電池切れにも対応できます。

繰り返しになりますが、「カメラのてっぺんに付けて、常に使ってもいい。自然光だけではできてしまう陰を拾い、濃すぎる影も薄めてくれる」便利グッズです。まずは、どちらかを手に入れて、使ってみてください。値段もたいしたことはありませんし。

まずは、私が「インタビュー写真の撮り方レクチャー IN東京」などの参加者に、事前に課題として出している「白いお皿に白系統のケーキを載せて撮る」をやってみてください。効果が確認できるはずです。

Q:おすすめの写真編集ソフトを教えてください(プロ仕様の高度なものではなく、初心者が使いやすいものがあれば教えていただきたいです)

「おすすめの写真編集ソフト」については、「Photoshop Elements」の一択です。

初心者にも対応しているPhotoshop Elements

「Photoshopなんて、『プロ仕様の高度なもの』の典型では?」と思うかもしれません。

こちらは、「機能簡略版」です。また、Photoshop(Adobe Photoshop)がサブスクなのに対し、約2万円の買い切りです。つまり、一回買えばずっと使えます。

※Photoshop Elementsが買い切り版なのは「2024」までです。現時点での最新版「2015」では、「3年間のライセンス、19,580 円」になっています。今(2024-10-05)ならば、まだ「2024」は販売されています。

「機能簡略版」といっても、「撮った写真の完成度を高める」使いかたには問題ありません。

「初心者が使いやすい」も満たしています。というのは、操作は「クイック」「ガイド」「エキスパート」の3本立てですこの内の「クイック」が初心者でも使えるように工夫されています(といっても、習熟は必要ですが)。

Photoshop以外を使うと、情報交換する相手は素人ばかりになる

Adobe Photoshop・Photoshop Elements以外はまったくおすすめしません。

というのは、ちゃんと写真を学んだ人が、「Photoshopを使っていない」「Photoshopがわからない」はありえません。

Photoshop以外を使う人がいるとして、その理由は、「(特にサブスク版は)値段が高いから」「私には機能が多すぎて難しい」あたりだろうと思います。積極的な理由は、まずないでしょう。

それらソフトを使って、SNSなどでアドバイスを求めると、「まったくわかってない人が、わかったふりをしている人や自分はわかっていると誤解している人に尋ねる。わからないもの同士での教え合い」という、ネットではありがちな世界に確実にハマります。

一時的にPhotoshop以外を使うのならば、GIMPなど

写真加工ソフトGIMPの画面
写真編集ソフト「GIMP」の画面。

ただ、「Photoshopを使い始める前の一時しのぎに」というのであれば、次の二つがあります。

GIMP(GNU Image Manipulation Program、ギンプ)
無料の上、PhotoshopのファイルであるPSDファイルが使えます。機能はPhotoshopとかなり共通しているうえ、十分に充実しています。ただ、その分だけ、使いこなせるようになるのには、時間がかかるでしょう。

「余分な回り道はせず、最初からPhotoshop Elementsを使ったほうがいい」が正直なところです。

②Photopea
オンラインで使用します。操作感はほとんどPhotoshopです。やはり、PSDファイルが使えます。ただ、機能は本物よりも少ないようです。

「Photoshopってどんなもの? レタッチってなに?」を確認する程度の使い方はできます。

Q:そもそも、Photoshopなどの写真編集ソフトは必要なのでしょうか?

仕事レベルの写真は、レタッチしてようやく完成します。「レタッチ」は、ほぼ「Photoshopで補正する」の意味です。当然、Photoshopやそれに類するソフトは不可欠です。

そのままの画像データは「眠い」「記憶にある光景とずれる」

レタッチが必要な理由は2つあります。

①「撮ったままの画像データは、カメラメーカーが意図的に眠い(コントラストや彩度が低い。輪郭もややあいまい)ままにしてある」。もしも、これが言い過ぎでも「特に撮影時の設定を変えない限り、撮ったままの画像データは基本的に眠い」

②その場に現実にあったままの光景を再現すると、人の記憶に残った光景とズレが出る。そのズレを直したほうが受け入れられやすい写真になる

①については、『Q:ミラーレスで撮るよりも、スマホの方がきれいに撮れます。スマホのカメラの方が高性能なのでしょうか?〜デジイチやミラーレスの画像データはレタッチして初めて完成する』をご参照ください。

ここでは②についてご説明します。

「その場の光景を正確に再現」が、写真の正解とは限らない

「撮って出しの写真を納品するのに疑問を感じない人」「『値段の高いカメラボディー・レンズを使っているから品質のいい写真になっている』と思っている人」は、まず、次の認識を捨てましょう。

「カメラでその場の光景を正確に記録し、それを再現したのがいい写真だ」

写真にもいろいろな種類があるでしょうが、Webなどで普通に見かける写真であれば、間違いです。

「見た人の記憶に残った光景を再現するのが写真の正解

GIMPでの補正(道頓堀)ビフォー&アフター
道頓堀の夜景。レタッチのビフォー(上)&アフター。

「人がその光景を見た(あるいは、実際に見てなくても見たと仮定する)。その人が記憶に残す光景を再現した」のが、目指すべき写真です。

「実際の光景」ではなく、「人が記憶に残した光景」が正解なのです。特に色にかんしては、「記憶色」との名前がついています。

たとえば、この道頓堀の「ビフォー」は「夜景に見えるか?」と尋ねられると多くの人が、「見える」というかもしれません。しかし、中途半端です。

「夜景の写真が夜景に見えない」場合、その原因になりがちなのが、空の明るさです。写真にした場合、肉眼で見たときの印象よりも空だけが明るい場合が少なくありません。

また、この写真の場合、ビルの部分も、「暗やみの中に、看板類が明るく浮き上がっていた」と見た人は記憶しているかもしれません。

レタッチし、空を暗く落とし、全体的も暗くすると、「アフター」になります。

おそらくは、下の写真のほうが、「大阪ミナミの道頓堀に行って、きれいな夜景を見てきた」の印象に近いはずです。

先入観に合わせた色やコントラストのほうが、素直に受け入れられる

電球色のLEDだけで撮ったショートケーキ
電球色のLEDの1灯だけで撮ったショートケーキ。周囲の光の影響を受けないように、暗くした中で撮ったために、影は濃く出ている。

この写真では、電球色のLEDに照らされて、お皿もケーキもオレンジ色になっています。

仮に、この場にいてこのまんまを見たとします。おそらくは、記憶に残るのは、「真っ白なお皿に、真っ白なクリームで覆われたケーキ」ではないでしょうか。「真っ白」が記憶色なのです。

「自分の目で実際に見た色ではなく、先入観で色を見て、記憶も先入観に従う」と言い換えてもいいでしょう。

これもやはり、写真としては、「先入観で判断した色」「記憶に残った色」で残します。オレンジがかったままでは、ケーキもおいしそうには見えません。

「正確に記録した画像データ」を「記憶に残った光景」へと変えるのが写真レタッチ

ショートケーキ・レタッチ後
上の画像をレタッチした。オレンジがかった色は是正し、コントラストも上げてある。実際に目にした状態は上の画像に近くても、こちらのほうが記憶に残った光景に近く、違和感もないはずだ。

この場合のお皿やケーキの色は、撮影時にも変えられます。「ホワイトバランスの調整」がそれです。ただ、これも「実際に見た色よりも、先入観に従った色に変える」という点では同じです。

撮った後からやるのがレタッチです。

変更するのは、明るさや色だけではありません。コントラストや鮮やかさもあります。いずれも、「記憶に残った光景」「先入観として持っている光景」に近づけます。

それをやらないままの写真では、「こんなさえない光景を見てきたのではない」になりかねません。白いケーキがオレンジがかっている場合ならば、「汚らしい」とまで受け止められる可能性があります。

この「記憶に残った光景」に近づける作業がレタッチで、それに不可欠なのが、Photoshopなどの写真編集ソフトなのです。

本気で画質を求めるのならば、JPGデータではなく、RAWデータを使う

実はここまで、わざと触れずにいた話題があります。「RAWデータ(ロウデータ)」です。イメージセンサーが読み取ったままの情報のことです。

イメージセンサーは「受光素子」というミクロの部品の集まりです。「2,000万画素のイメージセンサー」の場合、それだけの数の受光素子が縦横に並んでいます。

受光素子は、自分が受けた光の強弱だけを記録します。この光の強弱の情報をイメージセンサー全体の分、集めたのが「RAWデータ」です。各社で規格が異なり、ファイル名としては、キヤノンならば「○○.CR2」「○○ .CR3」、ソニーならば「○○.ARW」などとなっています。

よく保存ファイルとして使われるJPGデータは、このRAWデータを元に画像を作り、補正を掛けた状態で記録されています。データサイズを落とすために、さらには圧縮もされています。仮にコンパクトフラッシュなどの記録メディアに保存されているのがJPGデータだけでも、いったんはRAWデータも作られているわけです。

デジイチやミラーレスでは、設定をひとつするだけで、このRAWデータも記録メディアに残せます。

RAWデータはそのままでは画像にすらなっていないために、使うには「現像」の過程を経る必要があります。また、サイズはJPGデータの何倍にもなります。これらの理由から、初心者の間では一般的ではありません。

しかし、撮影時のデータをまったく損なわれていない状態で利用できるために、大幅、かつ、正確なレタッチが可能です。

もし、JPGデータからのレタッチに限界を感じるようならば、RAWデータの世界に進むようにしましょう。

Q:カメラはどの程度繊細に扱った方がよいですか? たとえばお散歩中。撮ったらすぐにレンズのフタを閉めたほうがよいでしょうか?

レンズフード・ハーフカバー・液晶保護ガラス・保護フィルター
カメラやレンズの保護・掃除のために、私(柳本)が使っている小物類。

そういった心配をするのは、「カメラボディーやレンズを守るための小物類を使っていない」せいではないでしょうか。

保護フィルターでレンズを、ハーフカバーでボディーを守る

安心して持ち出すには、以下のような小物類があったほうがいいでしょう。

・保護フィルター

前玉(先端のガラス玉)がむき出しのままのレンズを使うのは、私だってビビります。できるだけ、フタ(レンズキャップ)も付けておきたくもなるでしょう。しかし、面倒です。

レンズ用の保護フィルター(プロテクター)を使っていれば解決です。

「透過率が高い」「汚れがつきにくい」などで値段が高くなっている製品もあります。気にせずに、最も安いやつを選びましょう。フィルター径(≒レンズの口径)さえ合えば、どこのでも使えます。

保護フィルターに対しては、メガネのように布でふいてもいいでしょう。仮に傷になっても、この部分だけを取り換えればいいだけの話です。

・レンズフード

もし、レンズフードが付けられるレンズならば、こちらの利用も考えてみましょう。

本来は「レンズにわきから差し込む光を遮る」ためのものです。ぶつけたときには、レンズへのダメージを減らしてくれます。私自身、フードが割れたりゆがんだりすることで、レンズ本体の身代わりになってくれる経験を何度かしています。

・ハーフカバー

私は自分が持っている富士フイルムのカメラボディーにはすべて、ハーフカバーを付けています。

ボディーで傷になる可能性が最も高いのは底です。ハーフカバーがあれば底については万全に近く、側面もある程度は守ってくれます。

・液晶保護ガラス

背面の液晶もよく傷になります。どう扱うかは、スマホの液晶と同じように考えればいいでしょう。

機種ごとにサイズが異なります。私自身はかなりいい加減に選んでいます。しかし、通常は機種の品番を確認して、ちゃんと合ったものを選ぶようにしましょう。

掃除の基本はブロア

デジカメのイメージ線sなー
イメージセンサーが汚れると、直接的に画像の品質の低下につながる。掃除も慎重さが必要だ。

ボディーもレンズも掃除の基本はブロアです。布でふくよりも、ブロアからの空気で吹き飛ばします

もちろん、液晶やレンズは保護ガラスや保護フィルターを付けてさえしまえば、メガネのレンズふきなどを使っても大丈夫です。

特に注意を要するのは、イメージセンサーです。

今は多くの機種で微妙な振動などでホコリを落とす「センサークリーニング機能」が搭載されています。しかし、ニコンのAPS-C機には搭載されていません。

「ボディーの小型化のため」とのメーカー側の説明を見たことはあります。しかし、他社のAPS-C機、多くのマイクロフォーサーズ機には搭載されています。「実際にはコストダウンと、フルサイズ機との差別化だろう」と私自身は見ています。

キヤノンのAPS-C機やパナソニックのマイクロフォーサーズ機でも省略されている機種があります。

ただ、センサークリーニング機能があっても万全ではありません。ホコリでもついているようならば、できるだけブロアで吹き飛ばすようにしてください。

簡単に落ちないようならば、自分で粘るよりも業者に出しましょう。イメージセンサーほど繊細な部品はありません。無理をすると回復できないぐらいのダメージを与える可能性があります。

「カメラのキタムラ」では3,000円ほど出せば、店頭のその場ですぐにきれいにしてくれます。

ストラップの取り付けは「ニコン巻き」

つけていても、ストラップ自体が抜けてしまう場合があります。

安心できる付け方が、「ニコン巻き」です。

私は大学卒業直後、カメラマンではなく、記者として新聞社に入りました。そのド新人のときに、取材現場で一緒になった、同業他社のカメラマンが「それじゃあダメだよ」と、私のカメラを取り上げ、この付け方にしてくれました。

はた目で見ていても、「ストラップが抜けたらどうするねん。カメラとレンズがおじゃんだぞ」と不安でならなかったのでしょう。

また、カメラを手にするときは、必ず手首に巻くか、首に掛けるかしてください。もちろん、落下防止です。最初は面倒でも、すぐに習慣になるはずです。

カメラ・レンズはカビる

防湿庫
20リットルクラスの防湿庫。

カメラボディーやレンズにはカビが生えます。

特に可能性が高いのはレンズの前玉です。最初は薄く表面を覆うだけですが、やがて コーティングに侵食し、ガラス部分まで食い込みます。

本当は、防湿庫を使ってもらいたいところです。1万円もだせば20リットルクラスの製品が手に入ります。ひんぱんにカメラを持ち出す人にしたら、扉を開け閉めしてもすぐに自動で設定した湿度に戻ってくれるのもありがたいところです。

ただし、小型のものでも、ホテルの客室に置いてある金庫ぐらいの大きさがあります。置き場所に困りそうです。また、初心者の大半は、最小のものでも中はスカスカでしょう。

カメラ用品を出しているメーカーが、カメラ用の密閉ボックスや乾燥剤を出しています。これならば、いくらでもコンパクトなものがあります。

当座だけのことならば、いずれも百均製品にあるような、タッパー・乾燥剤・湿度計でも間に合います。

ちなみに、保管に最も適した湿度は40パーセントです。「なにもしないままでおくのは無理」と考えてください。

Q:背景をぼかした写真が撮りたい。どうすればいいですか?

背景をぼかすには、撮り方を工夫するだけではなく、カメラボディーやレンズも条件を満たす必要があります。

背景をぼかせるかどうかは、イメージセンサーのサイズとレンズの口径で決まる

イメージセンサーのサイズの比較
イメージセンサーのサイズの比較。

背景をどこまでぼかせるかは、次の3つの要素で決まります。

①イメージセンサーのサイズ:(A)フルサイズ > (B)APS-C > (C)マイクロフォーサーズ
②レンズの開放F値(≒レンズの口径):(4)大口径の単焦点 > (3)一般的な単焦点 > (2)大口径のズーム > (1)一般的なズーム
③レンズの焦点距離:望遠 > 標準 > 広角

この掛け合わせです。つまり、①×②×③で、「ぼかそうと思えば、最大でどこまでぼかせる」が決まります。

③の焦点距離は、「ぼかしたいから、望遠で撮る」もないわけではありません。しかし、一般的には、撮るものや作りたい構図に合わせて決まります。

「背景をぼかすためには、どんなカメラやレンズを選べばいいか」の話になると、もっぱら①と②の話と考えていいでしょう。

私の方で付けた、「A」や「1」は和牛のランクみたいなものと考えてください。

和牛でしたら、最高級は「A5」ランクです。背景をぼかすためのボディーとレンズならば、一番上は「A4」、一番下は「C1」と考えてください。つまり、ランクは12段階です。

背景のボカシやすさ
同じ焦点距離で使う限り、背景のぼかしやすさは「イメージセンサーのサイズ」と「レンズのタイプ」のかけ合わせで決まる。初心者がもっともよく使っているのは、「APS-C」と「一般的なズーム」で、12通りある組み合わせのうち、下から2番目に当たる。

初心者のカメラで最も一般的なのは「B1」ランク

初心者が最もよく買うのは、ボディーはキヤノンやニコン、ソニーの下位のクラスに当たるAPS-C機です。レンズは「キット」として最初から標準ズームあたりが組み合わされています。

これだと、「B1」ランクです。

Webライターらで、機材自慢の人によく見られるのは、「A2」(フルサイズ&大口径ズーム)ランクです。

最近、「あまりお金はかけたくない。しかし、ある程度、きれいな写真が撮れるカメラが欲しい」という人に、私がおすすめしたのが、「C1」ランク(マイクロフォーザーズのボディー&キットのレンズ)でした。

この組み合わせだと、「値段が安い」「コンパクト」などのメリットがあります。「ただし、背景をぼかすのはあまりできませんよ」は納得してもらいました。

私自身が使っているのは「B3」ランク

私自身が普段仕事に使うのは、「B3」ランク(APS-Cのボディーに一般単焦点)です。この組み合わせにしている理由はいくつかありますが、簡単にまとめると「ボディーとレンズがコンパクトで、そう値段も高くない。それでいて、背景もちゃんとぼかせる」です。

別の言い方をすれば、「ぼかせる度合いは、機材自慢の人の『A2』(フルサイズ&大口径ズーム)ランクと大差がないが、大きさ・重さ、値段は正反対」です。

ようやく結論をいえば、「背景をぼかした写真が撮りたいならば、『B3』か『A2』はほしいところだ。初心者向けの『B1』や『C1』では少し無理がある」といったところです。

インタビュー取材用機材
インタビュー撮影の際に、私がよく持っていく組み合わせ。背景のぼかしやすさからいえば、ボディーは「(A)フルサイズ > (B)APS-C > (C)マイクロフォーサーズ」のうちの(B)。レンズは左端が、単焦点準広角(23mm、F2)、中央が単焦点中望遠(50mm、F2)なので、どちらも「(4)大口径の単焦点 > (3)一般的な単焦点 > (2)大口径のズーム > (1)一般的なズーム」のうちの(3)にあたる。右端のシルバーのレンズは、標準ズーム(16mm−50mm、F3.5〜F5.6) で(1)にあたり、あまり背景はぼかせない。ただし、実際に使うことは少なく、2本の単焦点レンズがトラブったときの予備と考えている。

Q:デジイチとミラーレスのどちらを選べばいいですか?

4、5年前ならば、「デジタル一眼レフ(デジイチ)か、ミラーレスか」は悩ましい問題だったかもしれません。これからは迷わずにミラーレスを選びましょう。

キヤノンもニコンも、今後デジイチの新製品は出ない

今はまだ、キヤノンとニコンは一眼レフとミラーレスの両方を扱っているように見えるかもしれません。

しかし、キヤノンとニコンはすでに一眼レフの開発をやめました。最後に新製品がでたのは、両社とも2020年です。今後はもう出ません。「どんな新技術が出ようと製品には反映されない」ということです。

ソニー、富士フイルム、パナソニックなどは元からミラーレスだけです。ミラーレスはやっていない、ペンタックスだけが一眼レフのメーカーとして残りました。ただ、「あまりパッとしない。成功しているメーカーとはいいにくい」が正直なところです。

ミラーレスの表示タイムラグはもう問題ない

ミラーレスの登場後も、一眼レフが生き残ってきた大きな理由は、「一眼レフならば、ファインダーで見る光景と実際の光景に時間的なズレがない。ミラーレスはやや遅れる」でした。

鏡の組み合わせでファインダーの中にレンズからの光景を映し出している一眼レフに対し、ミラーレスはいったん電気信号に変え、それを再生するために時間のずれ(タイムラグ)があったのです。

しかし、ミラーレスも改良が進み、問題視しなくていいぐらいにこのタイムラグは小さくなりました。

また、「いったん電気信号に変える」ことから、いろいろな機能を載せることができます。たとえば、オートフォーカスでピントを正確に目に合わせる「瞳(ひとみ)フォーカス」はその一例です。

Q:ミラーレスで撮るよりも、スマホの方がきれいに撮れます。スマホのカメラの方が高性能なのでしょうか?

スマホで撮った写真がきれいに見える理由は主に2つあります。「ピンぼけしない」と「強力に補正されている」です。

「ピンぼけしない」と「背景がぼかせない」は同じ話

ミラーレスやデジイチではピンぼけばかり撮っていた人も、スマホで撮るとめったにピンぼけ写真になりません。

実はスマホは、わざわざそのように作ったのではありませんが、少々雑にとってもピンぼけしないようになっています。

先にでてきた「背景をぼかすための3つの要素」を思い出してください。「イメージセンサーが大きいほど、背景をぼかそうと思えばぼかせる。(A)フルサイズ > (B)APS-C > (C)マイクロフォーサーズ」です。

イメージセンサーのサイズは、「フルサイズ > APS-C > マイクロフォーサーズ >> 特別高級なスマホ >>> 一般的なスマホ」なのです。

スマホのイメージセンサーはフルサイズの30分の1

イメージセンサーのサイズの比較
スマホで最も一般的に採用されている「1/2.3型」の場合、面積はフルサイズの約30分の1しかない。これでは、背景はボカせず、画面内のほとんどにピントが合ってしまう。

一般的なスマホのイメージセンサーは面積がフルサイズの30分の1程度しかありません。ミラーレスでは「背景をぼかすのに不利」だったマイクロフォーサーズと比べても7分の1程度です。

中には、写真の画質が売りで、「特大のイメージセンサーを使った」スマホもあります。この場合でも、使っているセンサーは「1型」と呼ばれるもので、マイクロフォーサーズの半分ぐらいしかありません。しかも、面積いっぱいいっぱいは使えず、周辺部分はかなり余しているそうです。「実際には半分の面積もない」ということです。

つまり、「イメージセンサーが小さいために、背景をぼかそうと思ってもぼかせない」のです。これが、「画面に写っているものにはほぼ全部ピントが合う」となって、ピンぼけ写真ができません。

スマホで背景がボケる場合があっても、ソフトで加工している

「背景がぼかせない。何でもかんでもピントが合ってしまう」は長らく、スマホ内蔵のカメラの弱点とされてきました。しかし、最近の機種では「ソフト的にぼかす」ができるようになりました。

「果たしてこれが、背景をぼかした撮り方か。インチキではないか」は私自身もまだ結論が出せません。

元のデータはよくないのを、補正でコントラストや色彩をつけている

ミラーレスの数分の1、数十分の1の面積しかないのですから、画像データの取得と光景の再現にも不利です。「画質が悪い」と同じ意味です。

ただ、スマホの画像は、Photoshopなどの写真編集ソフトを使わなくても、JPGデータで保存した時点ですでに強力に補正がかかっています。低いコントラストは高められ、鈍い色彩も鮮やかにされています。この種の補正はミラーレスやデジイチでも行われていますが、スマホはより強力なのです。

「品質のよくない肉を味の濃いタレにつけてごまかしている」に近い状態と考えてください。

デジイチやミラーレスの画像データはレタッチして初めて完成する

アジサイ Before/After
撮って出し(左)とレタッチ後。初心者は撮って出しだけを見ている限りは、違和感を持たないかもしれない。しかし、眠い写真になっている。写真として完成させるには、レタッチしてコントラストや彩度を高める必要がある。

まだコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)が身近な存在だったころ、撮って出しの画像データのメリハリは、写メ > コンデジ > デジイチの順番でした。デジイチの画像データは明らかに眠い(コントラスト・彩度が低い。輪郭もはっきりしない)のです。デジイチの中でも、高級なものほどこの傾向がありました。

実は、「コントラストを高める。色を鮮明にする」といった補正では、すでにある画像データの一部を間引きます。JPGデータで保存された画像データはすでにいくらかの補正がされています。強力に補正を掛けられている場合、画像データの多くは失われおり、ここからでは十分な再補正ができません。

写メ派やコンデジ派は、まずはPhotoshopなどの写真編集ソフトは使いません。メーカー側が「だったら、何もしなくても(レタッチしなくても)見栄えのいいようにしておいてやろう」と考えるのは、当然といえば当然です。

一方、「多数派だった」とまでいえるかどうかは別にして、少なくともコンデジ派・写メ派よりも、デジイチ派のほうが、Photoshopを当たり前に使います。こういった人たちには眠い画像データのほうが歓迎なのです。

近年は、デジイチやミラーレスでも「撮って出しでもきれい」をセールスポイントにするメーカーや機種も増えました。しかし、今でも、「デジイチやミラーレスの画像データは、撮影後にレタッチをするのが前提」と考えたほうがいいように思います。特に、撮影時にカメラの設定をいじって、コントラストや彩度、色温度などの調整ができない初心者はそうです。

つまり、「撮って出しでは写真は完成していない。レタッチを経て、ようやく完成する」とお考えください。

今ならば、「何もしなくても見栄えがいいように」の極端なものが、スマホの画像データです。つまり、「補正とは無縁の人たちが喜ぶように、最初から派手派手にしておいた」というわけです。あえて言ってしまえば、「素人受けするような絵作りがされている」わけです。

スマホの画像データをレタッチをすると、劣化の目立つ、不自然な画像になりがちなのも、これで説明がつきます。強力な補正後の残った画像データを元にしているので、レタッチにも制約が大きのです。

スマホの筐体に押し込められたカメラが高性能なはずがない

スマホの内蔵カメラ
スマホの内蔵カメラは、この薄っぺらい筐体の中に押し込まれている。これだけでも、「スマホの内蔵カメラがミレーレスなどよりも高性能になりようがない」のは、わかるのではないだろうか?

スマホはごく薄い筐体の中に、「ミニパソコン」とも呼ばれるぐらい、様々なパーツが組み込まれています。カメラはその中の一部でしかありません。

当然、掛けられている費用もスマホ全体の中の数分の1でしょう。

もし、これでミラーレスやデジイチ以上の性能を発揮するようならば、世の中がひっくり返ってしまいます。

仮に「ミラーレスやデジイチ以上の性能を発揮する」のならば、ミラーレスなどにもその技術がすぐに反映されるはずです。

実は、イメージセンサーなどスマホのカメラ部品で世界最大のシェアを持っているのはソニーです。仮にスマホのカメラで実現している技術があったとしたら、とっくの昔にミラーレスにも採用しているでしょう。

とにもかくにも、「スマホのカメラのほうがミラーレスよりも高性能」と信じていた人は、両方を並べてそのサイズを比べてください。

Q:おすすめのノウハウ本を買いました。構図の解説もありますが、難しくて実践できません。最初はどう撮ったらいいですか?

ほかは全部すっ飛ばしていいので、「『日の丸構図』を避ける。そのためには、シャッターを切る前に、必ず一度はファインダーの中の四隅をチェックする」を実践してください。

おすすめのノウハウ本は『デジタル一眼スーパー撮影術』

デジタル一眼スーパー撮影術
デジタル一眼スーパー撮影術

おすすめしたノウハウ本は『デジタル一眼スーパー撮影術~機能の使いこなしから被写体別テクまで~』でした。

10年も前に出版された本で、おそらくは古本でしか手に入りません。しかし、いまだ代わりになるものが見つけられないでいます。スマホに取って代わられ、デジイチやミラーレスを使う人が減ったせいでしょう。おそらくは、こういったノウハウ本の市場も縮小しています。

特に「構図の基本を学ぶ」(11〜23ページ)はよくできています。実際に被写体を見つけ、撮影に適したアングルをさがすときの順番が再現されています。「散歩を兼ねて、被写体探し」といったときには、カメラと一緒に持って出て、その場でチェックしてもらいたいぐらいです。

初心者はまず「日の丸構図」を避ける

日の丸構図
被写体の中で最も重要な部分を中央に持ってくる「日の丸構図」。特に人物写真の場合、左右と頭上はスカスカになりがちだ。

「スマホ以外にはカメラはまったくの初めて」という人に、ぜひとも守ってもらいたい撮り方があります。「『日の丸構図』を避ける」です。

「日の丸構図」とは「♪白地に赤く」の「赤く」の部分に被写体の最も重要な部分を持ってくる構図をいいます。

人物写真であれば、「最も重要な部分」はたいていは顔です。この「顔」を上下左右とも真ん中に持ってきてしまうのです。

日の丸構図が常にダメなわけではありません。構図としては代表的なもののひとつです。

しかし、初心者の場合、なんでもかんでも日の丸構図で撮ってしまいがちです。

というのは、ファインダーの中は中央しか見ていません。最も重要な「顔」もまったく意識しないうちに、中央に持ってきます。

そこでシャッターを切るわけですから、「左右はスカスカ」「人の頭上、画面全体の3分の1ほどがスカスカ」といった、極めて間延びした写真になります。

ほかの被写体でも同様です。たとえば、セミナーの会場風景ならば、「出席者ら(聴衆)の後頭部が上下の中央に来る。画面の半分近くが天井」といった写真にしてしまいます。

ファインダーの中央
ファインダーの中央しか見ない人にとっては、それ以外はないに等しい。そのため、左の構図では「招き猫の顔が入っていない」かのように感じ、右のように中央に「顔」を持ってきてしまう。ほかのものを撮っても同じなので、写真はどれも「日の丸構図」になる。

シャッターを切る前に一度は四隅を見る

要らないスペース
シャッターを切る前に、必ず一度は四隅をチェックする。「要らないスペース」があるようならば、構図を取り直す。そうしないと、間延びした写真ばかり撮ってしまう。

「日の丸構図」の問題は、「ファインダー内の中央しか見ていない」から来ています。ですから、対策は「四隅にまで気を使う」です。

シャッターを切る前に、一度は四隅をチェックしてください。右上・左上・右下・左下に「むだなスペース」や「じゃまになるもの」があれば排除してください。

「じゃまなもの」が動かせるようならば、動かします。「むだなスペース」に対しては、アングルを取り直します。

徹底してください。習慣になるまでやってください。

ノウハウ本などではよく、「3分の1構図」「4分の1構図」「対角線構図」などが紹介されています。最初は気にする必要はありません。

「シャッターを切る前に四隅をチェックする。むだなスペースは排除する」をやっていれば、かなりの確率で勝手に「○○構図」になっています。「○○構図」はあとからついてきます。

Q:なぜ、初心者には「お散歩写真」が必要なのでしょうか?

せっかく買ったカメラをタンスの肥やしにしたり、写真に興味があっても始められなかったりする理由は主にふたつでしょう。

①「身近なところに撮るものがない」と思っている
②撮っても見せる相手がいない

アングルを変えるだけで写真になるものは意外に多い

滋賀県大津市・田植え
田植えの光景ならば、田舎ならばどこにでもあるだろう。カントリーエレベーターと山がそろえば、立派に風景写真になる。

①の場合に、「撮るもの」を尋ねてみると、「お祭りなどのイベント」「海山の絶景」「名所旧跡」などをイメージしているようです。

確かに、身近にそういった機会や場所がある人は多くないでしょう。旅行でもしない限り、カメラの出番はありません。

そこでおすすめしているのは、「お散歩写真」です。ご近所を散歩でもするときにカメラを持っていくのです。

ちょっとアングルを変えるだけで、意外にそれっぽくなるものがあります。逆にいえば、「写真を撮る目」を持っていないと、せっかくの被写体もスルーしてしまいます。

2024年5月10日から6月1日の間に私が撮った、お散歩写真を1ページにまとめています。ぜひ、ご高覧ください。今現在「(身近に)撮るものがない」といっている人が、同じ場所を通っても、ほとんどシャッターを切らずに帰ってくるのではないでしょうか。

お散歩写真の一番のおすすめは神社

樹下神社
なんでもない小さな神社でも被写体になるものは多い。手水舎だけでも3つや4つのアングルは見つけられるはずだ。

いくら「散歩中にふと目にしたものにカメラを向ける」といっても、あてもなく歩き回るのは気分が乗らないかもしれません。

おすすめは、神社です。狛犬や手水舎、拝殿、本殿などを被写体にするのです。狛犬は最低でも1対あるでしょう。手水舎(ちょうずしゃ)では、吐水口として龍が据えられているのではないでしょうか。これらは見ようによっては彫刻です。

拝殿や本殿なども、多くは風情のある和風建築です。賽銭箱(さいせんばこ)や鈴なども被写体になりうるでしょう。

もし、撮るものが思い浮かばないのならば、神社に行きましょう。

Tweetには私(柳本)のアカウントを

「見てくれる人がいない」はたしかに頭の痛い問題です。お散歩写真であるからには、びっくりするような光景はありません。SNSにアップしても、反応は薄いのが常でしょう。

地道に仲間を増やしていくか、「SNSなんて、バズるもバズらないも時の運」と思ってアップを続けしかないような気がします。

Tweetなどの隅に、私のアカウント「@485WP」を入れてください。少なくとも、私は見ます。また、よろしければ撮影ノウハウのアドバイスもします。

Q:外付けストロボは買ったほうがいいですか?

結論からいえば、「買いましょう」。理想をいえば、撮影用LEDも買って、TPOで使い分けます。

買ったほうがいい ただし、メーカー純正品は高すぎる

ただし、十分な光量のある、メーカー純正品はソニーであれキヤノンであれ、4、5万円します。中国のメーカーがソニー製品などに合わせて作っている、いわゆる「中華ストロボ」で十分です。同じ程度のスペックのものが3分の1ぐらいで手に入ります。

一方、撮影用LEDは、先に「Q:自然光を活用した撮影のコツを教えてください」の回答に紹介したように、1,000円、2000円の製品でも十分実用に耐えます

写真撮影には、適した「光の波長」や「光源の位置」がある

逆光と順光
表現上の特別な意図がない限り、もっとも避けたい光のコンディションのひとつが逆光だ。ストロボを使うことで、撮影位置を変えないままで逆光を解消できる場合がある。

外付けストロボの必要性を感じていない人にありがちな考え方は、「撮影場所の明るさが十分にあればいい」「明るさが足りなければ、カメラの感度を上げればいい」です。

それで対応できたとしたら、たまたまでしかありません。あるいは、「本来もっとまともになった写真が低レベルでとどまっている」かです。

撮影場所では光のコンディションをチェックしましょう。まずは、「光源の位置」です。最もわかりやすいNGは、逆光ですね。「Q:自然光を活用した撮影のコツを教えてください」ででてきたのもこの状況です。

次に「波長」です。最もよく見かける失敗は、「電球色のLEDの下で撮っているのに、ホワイトバランスの調整をしていない。しても、対応しきれていない」です。テーブルフォト(料理写真)ならば、オレンジがかった色になって、せっかくの料理が汚らしく見えるときさえあります。

ストロボを使いこなして、写真撮影に適した光を自分で用意する

こういったときは自分で光源を用意しなければいけません。そこで出番になるのが、外付けストロボや撮影用LEDです。

ただし、闇雲(やみくも)に使ってはいけません。「使わないほうがいい」ときも珍しくありません。これらを使うポイントは、「使ったとはわからないように使う」です。そこには知識とスキルが必要になります。

note:『カメラ初心者や使ったことのない人必見 ストロボ・LEDライトの使い方実例集』

ストロボと撮影用LEDは状況で使い分ける

撮影用LEDライト3種とストロボ
撮影用LEDライト3種とストロボ

ストロボの場合、乾電池からの電気をコンデンサーにため、一瞬でパワーを放出します。そのため、シャッターを切った一瞬には大光量が確保できます。

ただし、「どう光が当たったか」は肉眼では確認できず、撮ったあとにカメラの背面モニターなどで確認します。

一方、撮影用LEDは逆です。明かりはついたままです。懐中電灯と同じようなものなので、光の当たり方は、ある程度は肉眼で確認できます。ただし、発光量は大きくはありません。

両方を用意しておいて、使い分けるといいでしょう。たとえば、私の場合、テーブルフォトにはもっぱら撮影用LEDを使っています。


ご質問・ご感想をお待ちしています!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


まだコメントがありません。