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夜景を夜景らしく見せる写真レタッチ〜Photoshop Elementsを使っての『中級編』

Photoshop Elementsの操作画面

先に、「夜景の撮り方・レタッチの仕方〜カメラ任せでは夜の雰囲気は出ない 『レタッチ実践編』」も書いています。

その記事ではシンプルなパターンを想定しました。また、レタッチに使ったのはAdobe Photoshopではなく、その代替ソフトで、無料のGIMPです。

今回はもう少し、複雑なものを題材に選びました。ソフトはPhotoshop Elementsを使いました。Adobe Photoshopの機能省略版ですが、一般の人が使うには十分です。また、値段も約2万円の買い切りなので、これから写真の勉強を始める人にも手の出しやすいものになっています。

目次

遠景かつ夜景を撮影するときのポイント

今回の題材の写真は、風景のなかでも「遠景」です。夜景としての撮り方も、これまでに使った「道頓堀と遊覧船」などとは少し異なります。

・夜景の時間帯は「たそがれどき」や「トワイライト」が基本である。これはほかの夜景でも同様だが、遠景の場合は人工の光は特に少ない。野や山、あるいはそこにある建物などを真っ黒にしてしまわないためには、いくらか残っている空からの光を利用する。

・ただし、この時間帯の上空は写真にすると、肉眼で見て思っているよりかなり明るく写る。かといって、夜空らしい暗さになるのを待つと、野や山の様子が何も写らなくなってしまう。

・「いくらか残っている空からの光」も「この時間帯の空」も刻々と変化する。一発で決めるのはほとんど無理だ。数分ごとに撮るしかない。

その時の気象状況などにもよりますが、「空は焼き込めばなんとか夜空らしくなる。地上はいくらか暗い程度」が元になる撮影データの理想です。

当然、そのままでは中途半端な写真になります。レタッチの出番です。

Photoshop Elementsを使った、実際のレタッチの手順

以下、Photoshop Elementsの画面に従って、話を進めていきます。

もし、「自分でも同じようにレタッチをやってみたい」という方がおられたら、こちらをダウンロードして使ってください。

画像をセットしたら、「エキスパートモード」を選ぶ

「クイック」は初心者向けでわかりやすいが、思ったとおりの操作には向かない。

イメージ>回転>カスタム>カンバスの回転

角度を入力して傾きを直す。

左の「ツールボックス」から「トリミング」を選ぶ

範囲指定が終わったら、右クリックして「切り抜く」で実行する。

表示>画像サイズ

解像度はネット用の写真ならば「72」にする。その後で、幅などの数字を入力する。「2000」ならば十分なサイズがある。

表示>画像サイズに合わせる……で、作業中の画像を大きくする

切り抜いたあとは、画面上の画像が小さくなる。

レイヤーにある「背景」で右クリックし、複製を2枚つくる

名前は「湖・空」と「地上」といった具合にする。

レイヤーで、「背景」「湖・空」の目玉マークをクリックして、表示されないようにする

その後で、ツールバーの「ブラシ」を選択する。画面左下で、「追加」を選び、ブラシのサイズは「32」程度にする。数字が小さいほど、同じような色しか選ばない(正確になる)。

湖の上を数回クリックし、選択範囲を広げる。「追加」にしてあるので、先のものも残り、どんどん範囲が広がっていく。もし、陸上などにまで広がったら、「ヒストリー」(画面右下「その他」の中に隠れている)を使って作業を元に戻す。

湖が7、8割も選択できたら、選択範囲>近似色を選択

これで湖はほぼ全部選択済みになるはず。ただし、「近似色」は地上にもあり、これまで選択される。

ツールバーから「多角形選択ツール」か「投げ縄ツール」を選ぶ

左下では「削除」にする。これで地上部分の要らない部分は囲い、削除していく。

点線で囲まれている範囲が、湖だけになったら、選択範囲>境界をぼかす

今回ぼかすのは、1〜3 pxぐらいでいい。これをやらないと境目が不自然になる。

編集>消去

湖部分を消す

今度は空の部分を消す

やはり「ブラシ」「追加」を使うが、サイズは小さめでいい。また、数度クリックすれば、「近似色を選択」を使わなくても、空の部分全部を選択できるはず。

選択範囲>境界をぼかす

今回もぼかすのは、1〜3 pxぐらいでいい。

編集>消去

空部分を消す。

画質調整>ライティング>シャドウ・ハイライト>シャドウを明るく

今回の場合、シャドウは15%程度明るくする。

画像調整>カラー>カラーカーブ>コントラストを上げる

スライダー部分で微妙な調整をする。

レイヤーで、「湖・空」の表示を復活させる

「湖・空」を選択する。

画像調整>レベル補正

真ん中の三角を右へとずらし、「湖・空」の部分を暗くする。

キーボードの「Shift」をクリックしたまま、「湖・空」「地上」の2つを左クリックして両方を選択する

このレイヤー部分で、右クリックし「表示レイヤーを結合」を選ぶ

結合したばかりのレイヤーを選択したまま、ツールバーから「長方形選択ツール」を選ぶ

これで空の部分を広めに選択する。

選択範囲>境界をぼかす

今度は100〜200px程度に設定する。

画像調整>レベル補正

空の部分が不自然にならない程度に、真ん中の三角を右にずらす。あとは「.psd」や「.jpg」 で保存するだけ。

「撮って出し」と「レタッチ後」

やり方はひとつとは限らないし、その時々で有効な方法も違う

今回のレタッチで最も難しかったのは、湖面の範囲指定でしょう。松の木などが張り出していて、複雑な形をしています。しかも、湖岸は夜にしては明るく、一方、松はシルエット状態で真っ黒です。適当に混ぜてしまうわけにもいきません。

たまたま、「近似色を選択する」が、うまく松の木のあいだまで拾ってくれました。地上部分まで拾ってしまいましたが、この程度ならば比較的簡単に消せたほうです。

よほど単純なものでない限り、その時々で有効な手段が違います。「やっては戻りつ、また違うツールを試し……」となるのはしょっちゅうです。

「一枚の写真になる画面の中でも、光のコンディションはいくつもある」ものなので、どんなに高級なカメラを使ってもレタッチは不要にはなりません。その「光のコンディションはいくつもある」が最も極端に出るのが夜景です。夜景の写真はここまでやって、初めて完成です。

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