間違いだらけの写真撮影〜カメライターにノウハウを習ってはいけない
SNSがあるおかげで、さまざまな情報交換が容易になりました。疑問があれば、X(旧・Twitter)にでも投稿しておけば、多くの人が回答してくれます。ただ、内容は玉石混交です。その問題に詳しくなく、我流の勉強で身につけた知識に自己満足しているだけの人からの回答も珍しくありません。
どんなジャンルでもありがちです。カメラ・写真撮影も例外ではありません。
ライター同士の交流に限定すれば、我流の勉強で身につけた知識・間違った知識の発信元になっているのは多くの場合、「カメライター」を名乗る人たちです。
目次
カメライターが教えがちな間違ったノウハウ
「カメライター」を名乗って活動をするのをおかしいとは思いません。「写真も撮れる」は強力なアピールポイントでしょう。ただ、全員が全員ではないにしろ、「我流のノウハウ&自己満足ばかりだな」「写真のエキスパートみたいな顔をするのは、早すぎるんじゃないのか?」と感じてしまうのが正直なところです。
以下、カメライターがSNS、note、電子書籍でしばしば紹介し、間違っている「撮影ノウハウ」をピックアップします。
「テーブルフォトは半逆光が基本」???
テーブルフォトだけではなく、人物撮影でも見かけました。「半逆光が基本です」。どちらの撮影であっても、間違いです。正解は……
うまくハマれば、半逆光のほうが立体感がでる。雰囲気のある写真になる。しかし、手前の面が黒くつぶれる場合も多い。ハマるかどうかは、被写体の形にもよる。しかも、順光側の光もある程度の強さが必要だ。
もし、「基本」というのならば、順光がそうである。だからこそ、「順光」という名前が付いている。
……です。
「バカのひとつ覚えで、半逆光にしてはいけない」と覚えておいてください。
「余白は十分に取ったほうがいい」???
ベテランのカメラマンの間でも、「ノートリミングで使えるぐらいに、いっぱいいっぱいに撮れ」「後の扱いやすさを考えて、余白は確保しておけ」の2派に分かれるようです。
私は「いっぱいいっぱい派」です。「主役の被写体を小さくしてしまうと、『構図が決まっているか』『ピントが合っているか』『いいタイミングで撮れたか』のどれもがわかりにくくなってしまう」が理由です。
初心者ならば、迷わずに「いっぱいいっぱい」でいきましょう。まったくわかっていない人は放っておいても余白ばかりになります。加えて、意図的に余白まで作ってしまうと、「肝心の被写体は縦幅・横幅とも全体の半分もない」といった写真ばかりになるのが確実です。
人物写真の場合にこれだと、ファインダーをのぞいていても、どのような表情かはわかりません。シャッターを切るタイミングも逃してしまいます。ほかの場合にも、無駄なスペースが多すぎて、細部まで注意が行き届きません。
実際、私が初心者相手に撮影練習会をやるときには、「シャッターボタンを押す前に一度はファインダーの中の四隅を見る。無駄なスペースや邪魔なものがあったら、それらを回避してからシャッターボタンを押す」を繰り返し、アドバイスしています。
「できるだけ多くの枚数を撮れ」???
これを「しっかりと狙いを持って撮れ。完成度の高い写真にする機会を多く持て。いろいろなシチュエーションで撮れ」の意味でいっているのならば、問題はありません。
しかし、カメライターは「ピンぼけや手ブレをしている場合がある。たくさん撮っていれば、中にはピントが合い、手ブレもしていない写真もある」でいっているようです。
それに従うと、ほとんど映画のフィルムのような連続写真ができます。
目的をピンぼけ警戒・手ブレ警戒に話を限るならば、まったくの間違いともいえません。しかし、写真は弓道で矢を放つように集中力を持って撮るものです。
・呼吸と姿勢を整える
・矢をつがえて、弦を引く(被写体をファインダーでとらえ、シャッターボタンは半押しまで持っていく)
・発射の機が熟したら、矢から指を離す(シャッターチャンスをとらえたら、シャッターボタンをあと少し指の腹で押し込む)
……をやってください。「多くの枚数を撮る」のならば、これの繰り返しです。
「構えはデタラメ。矢をまともにつがえていない。弦も中途半端にしか引いていない」だと、的まで届きません。届かないものは、「数撃ちゃ(数射りゃ)」をやっても、一発も当たりません。
「人物写真では人物の指先がブレてはいけない」???
手ブレ・ピンぼけに甘いのも、カメライターも特徴です。やはり、わかっている人からのチェックが入っておらず、自己満足だけでやっているのが原因でしょう。
にもかかわらず、「人物写真を撮るときは、シャッタースピードは○分の1秒以上にしましょう。そうしないと、体の前に来た手がぶれている場合があります」なとど noteの記事などで解説するカメライターがいます。
手であることさえわからないぐらいになっていない限り、この場合のブレはOKです。むしろ、動きのあるいい写真になります。要は顔に……もしアップ目ならばカメラに近い方の目に……ピントが合っていて、ぶれていなければいいのです。
受け売りでいっているのか、カメライターが経験から生み出したルールなのかは不明です。
こういった人物写真を撮るシャッタースピードは125分の1あたりがめどでしょう。私が人物写真で好んで使うシャッタースピードでもあります。
「画面を傾けると動きが出る」???
たしかにそういった場合もないわけではありません。しかし、少なくとも、「そのままでも動きがある被写体」である必要があります。最近、私が見た範囲では、「『空に向かって』といっていいほど、勢いよくこいでいるブランコ」ぐらいしかありません。
ポートレート写真を題材に、「傾けると動きが出る」としている説明を見たこともあります。この程度では「そのままでも動きがある被写体」ではありません。
「傾いている」=「不安定」です。その不安定さを感じさせないぐらい、勢いのある動きのあるシーンではない限り、わざわざ傾けるのはやめておきましょう。
ちょっと見かけただけの知識に飛びついているらしい
これらの間違ったノウハウに共通する印象があります。「どこかでちょっと見かけただけの知識やノウハウを、『正しいかどうか』『自分は理解できたかどうか』を検討しないまま、すぐにバラ撒いている」です。
「テーブルフォトは半逆光が基本」など典型的にそうです。「この被写体だと、順光でないとダメだった」などいくらでもあります。実際に自分で撮れば、常に経験をするはずです。
先の例に入れませんでしたが、「構図」も同じにおいがします。
「対角線構図」「3分の1構図」「日の丸構図」などが彼らの紹介する構図の代表です。しかし、実例として出している写真は「その構図で、本当によくなっているのか?」と思えることが珍しくありません。「素直に撮ればおかしい写真にはならない。なのに、無理に○○構図に当てはめ、安定しない図柄の写真になっている」と見えるのです。
私自身は、「構図を意識すぎるのはよくない。自分でファインダーをのぞいてみて、しっくりくるところでシャッターを切る。結果として、何らかの構図に当てはまっていればいい。たとえ当てはまっていなくても、いい写真はある」と考えています。
こういう考えでいかないと、「世の中の構図全部に名前が付いているわけではない。なのに、自分が知っている構図ででしか、写真が撮れなくなってしまう」のではないでしょうか。
無責任にノウハウをばらまけるのは、おそらくは実践が伴っていないせいでしょう。
カメライターがスルーするノウハウ
ここまでは、「カメライターが先生役になると、こういった間違いを教える」の例を挙げてきました。それ以外にも、「本当は写真撮影必須(ひっす)の知識・ノウハウなのに教えない。本人も知らないので、自身の撮影でも実践できない」もいくつかあります。
「テーブルフォトは標準レンズ・中望遠レンズ」
テーブルフォト(料理写真)に適しているレンズや焦点距離は標準や中望遠です。「テーブルいっぱいに並んだ料理」といった場合は広角も使いますが、スイーツ単独や料理単品ならば、鉄則です。
というのは、広角では形がゆがんでしまいます。極端にいえば、「『鼻デカ犬』の状態」とお考えください。それほどゆがみが目立たないとしたら、「しっかりと寄り切っておらず、周辺がスカスカの写真を撮っている」が大きな理由です。つまり、「広角を使って撮ると、寄って撮っても失敗・腰が引けて撮っても失敗」です。
特に近年は、自分が食べたスイーツや料理を、スマホでさっと撮ってSNSにアップする人がたくさんいます。こういった場合も、スマホのスイッチを入れたままの広角で撮ったものが大半のようです。
SNSの投稿ならば、手軽さが一番なので、許容範囲かもしれません。しかし、教える相手がライターであれば、撮る写真は仕事の一部の可能性もあるでしょう。「鼻デカ犬状態の料理写真を納品する」でいいわけはありません。
「色かぶりの是正」
「色かぶりの是正」は「ホワイトバランスの調整」「色温度の調整」と同じ話です。
被写体はその場の光の影響を受け、写真では本来の色が出ないことがままあります。「白いお皿に載った、白いショートケーキを撮った。だけど、電球色LEDの照明の影響で、どちらもオレンジがかっている」が「色かぶり」の一例です。
オレンジがかったショートケーキはおいしそうには見えません。場合によっては汚らしくさえ見ます。しかし、現物を見た人は頭の中で変換して、「真っ白なお皿と真っ白なショートケーキ」で記憶に残すのが普通です。「色かぶりしていた」にしても、まったく意識していなかったではないでしょうか。
こういった場合は、撮影時にカメラボディーでの設定か、撮影後のPhotoshopなどでのレタッチで、真っ白になるようにします。残すべき写真は、「実際にその場にあった光のコンディションのまま」ではなく、「見た人の記憶に残った光景」なのです。
コントラストなども同様にしなければいけないのですが、特に色については「記憶色」との名前が付いています。「本来の色」と呼ぶべきなのも、記憶色です。
カメライターが先生役になっても、色かぶりに言及しているのを見たことがありません。その生徒も、汚らしいオレンジ色のまま、写真を公開しているのが常です。
「水平・垂直は厳密に」
カメライターが間違って教える話として、すでに「(意図的に)画面を傾けると動きが出る」は出しました。
ここでの「水平・垂直は厳密に」は「気が付かないままに傾いた写真を撮っている」話です。
画像が1、2度傾いた程度ならば、特に写真を勉強した経験のない人は、「傾いている」とも指摘できないでしょう。しかし、多くの場合、「どことなく不安な気分」になりがちです。特にビルなどの建物などが大きく写っており、縦横の線が傾いているはずのものがないのが傾いていると、大きく不安感が増します。
そこがページやサイトにとっての「離脱ポイント」になりかねません。「画面が少し傾いているだけでも、滞在時間や読了率が下がり、直帰率が上がる。せっかくのSEO対策の足を引っ張る」とご理解ください。
もちろん、撮るときにも気をつけます。しかし、1度以下の傾きになったり、動いているものを撮るとなったりすると、対応しきれないのも現実です。この場合は、撮影後のトリミングで是正します。
「カメラの持ち方・シャッターボタンの押し方」
フィルムカメラ時代の撮影ノウハウ本には、目次の次ぐらいに「カメラの持ち方(構え方)・シャッターボタンの押し方」が書かれていました。それも当然です。テニスでいえば、「ラケットの握り方」に相当する話です。
しかし、デジカメ時代になり、説明しないといけない話が激増しました。まったく触れていない撮影ノウハウ本もあります。どうやら、押し出されてしまったようです。
「シャッターボタンの押し方」をマスターする必要がある最大の理由は「手ブレをさせないため」です。多くのカメラボディーやレンズに手ブレ補正機能が搭載されるようになりました。「押し方」の重要性がやや減ったのも事実でしょう。
しかし、手ブレ補正機能が万全なわけではありません。私が常用しているカメラボディーとレンズの組み合わせのように、どちらにも搭載されていないパターンもあります。
また、正しい「カメラの持ち方・シャッターボタンの押し方」は、「シャッターチャンスを長い時間待つことができ、そのチャンスが来たらすぐに反応できる」の効果もあります。つまり、シャッターチャンスに強いカメラマンになるのは不可欠な基本です。
何よりも、「『ラケットの握り方』も承知していない人が、それ以外のスキルについて詳しいはずがない」が正直な感想です。カメライターがカメラの持ち方・シャッターボタンの押し方が言及しているのを見たことがありません。
カメライターが間違った撮影ノウハウの出所になるわけ
「『カメライター』と名乗る人たちがなぜ、noteやSNS、電子書籍でまちがったノウハウをまき散らすのか」には、ふたつの理由がある気がします。ひとつはもちろん、「『カメライター』の呼び名から、カメラ・写真撮影が得意な印象を与える。そのため先生役として頼りにする人たちがいる」です。それよりも大きいかもしれない理由が「教えてもらう側にすれば、『カメラマン』『フォトグラファー』などよりも気楽に接することができる」です。
本物のプロに教えてもらうのは恐れ多すぎる
もし、直接の知り合いだったり、SNSで交流があったりしても、プロ中のプロにその人の専門分野に関する質問はしにくいものです。実際、失礼に当たるとも私も思います。
たとえば、親しいプロ野球選手がいたところで、「バッティングセンターで、カーンとボールを打ち返したい。コツを教えてくれ」など頼める人はそうはいないでしょう。
「高校時代は野球部だった。県大会ではベスト16まで進んだ」といった知人がいれば、どうでしょうか? そちらに頼むではないでしょうか?
写真関連で、その「高校時代は野球部だった」ぐらいの存在に見えるのが、おそらくはカメライターです。特に、Webライターをやっている人にすれば、普段から身近な仲間です。
カメライターの「写真も撮れる」のレベルとは
「もともとWebライターをやっていた。次第に、『記事を書くついでに』とその記事につける写真の撮影も合わせて受けるようになった」がここでいう「カメライター」の典型です。
一方で「ついでの写真撮影」をやるようになっても、名乗るのは「ライター」や「Webライター」「取材ライター」のままの人もいます。「カメライター」との違いは、「そこまで写真の腕には自信がない」か「写真撮影はあくまでついで程度のことだ。文章のほうが主だと考えている」あたりでしょう。
ここで気がついてほしいのは、カメライターを名乗っていても、特段、写真の勉強をしていない点です。「プロ」と呼べるほどのカメラマンから手ほどきを受けたわけではありません。せいぜいが「ベテランのカメライターが主催した短期の講座に参加した」程度です。ほぼ、独学です。
そもそも、大学の写真学科や写真関連の専門学校を出ていたり、プロからまともな手ほどきを受けていたりすれば、「カメライター」ではなく、「カメラマン」「フォトグラファー」「ライター兼カメラマン」を名乗っているのではないでしょうか。
同じように気安く頼りにできる人でも、元野球部員ならば少なくとも監督やコーチから指導を受けています。バッティングにしても、決定的に間違った理論を身につけはしていないでしょう。
一方、カメライターの大半は指導者らしい指導者に付いた経験はないのですから、間違った知識が他者から正されることもありません。「テーブルフォトは半逆光が基本」などと言い出しても、放置されます。
「本格的な写真撮影に興味がある人は近寄らないでください」
「『カメライター』でひとくくりにするのは乱暴では?」と気は付いています。しかし、思い切っていってしまうと、「我流でやっていて、自己満足度が高い。間違った自信をつけてしまった人」が「カメライター」です。その中でも、「間違った自信」の大きい人ほど、先生役を引き受けます。私が知る範囲では、ほぼこういった人たちです。
「この人、写真はうまいし、よく勉強もしているよなぁ」と思える、カメライターの例外が1人だけいます。元雑誌編集者で、今は旅行雑誌などに書いたり撮ったりしている人です。この人も正確には「カメライター」ではなく、「フォトライター」を名乗っています。と、同時に「フリーライター」「フォトグラファー」の肩書も使っています。「Webライターがついでに写真を撮り始めた」といった経歴ではありません。
中には「自分には本物のスキルや知識はない」との自覚がある人もいるようです。写真撮影ノウハウの電子書籍まで出しておきながら、「本格的な写真撮影に興味がある人は、私のところには近寄らないでくださいね」と宣言している人も見かけました。
この人に、あるライターグループが「人物写真の撮り方」のレクチャーを依頼し、近日中に開かれます。もしかしたら、そのグループ内から次の「カメライター」が誕生してしまうかもしれません。
まともな情報は手に入りにくいのに、学ぶ量も増えている
写真初心者が教えをこう相手として、カメライターに吸い寄せられていくのには、「気安く質問できる」以外にも理由があるのかもしれません。
電子機器化し、覚えることが激増した
フィルム時代のカメラは極端にいえば、金属、ガラス、ギア、バネだけでできていました。構造も操作もシンプルです。報道カメラマンの定番カメラ「Nikon F3」 (販売期間1980〜2000年)の場合、説明書は約60ページしかありませんでした。各ページもスカスカです。
今はデジカメとなり、複雑な電子機器になりました。説明書は400ページ500ページあり、各ページもみっちりと詰め込まれています。あまりにページ数がありすぎるので、「基本編」とした別冊の説明書がつけられている場合も少なくありません。その基本編でも100ページやそこらあります。デジカメにはビデオとしての機能もあり、ページも割かれているので、全部が全部、カメラ部分の説明ではありません。しかし、理解しないといけない内容はF3の5倍10倍あります。
しかも、説明書に取り上げられているのは、カメラの操作に関する部分だけです。写真撮影の知識やスキルはまた別です。
「じっくりと理解しながら、カメラ・写真撮影を覚える」などよほど根気のある人でないと無理でしょう。
多くの人が「肝心のところだけど、ちゃっちゃっとだれかに教えてもらいたい」となり、「気を使わなくていい相手で、カメラ・写真撮影に詳しそうな人」と求めるのは、いくらかは理解できます。ただ、頼りにした相手もわかっておらず、間違いを教えられるのは、ここまでに見たとおりです。
カメラ・写真撮影のノウハウ本は絶滅寸前
こういった扱いの難しいカメラが出れば、昔ならば、それに対応したノウハウ本がすぐに出たものです。説明書の内容をかみ砕いたり、違った視点からカメラの使い方を説いたりする本です。初心者向けのものもあれば、中級者・上級者向けのものもあります。
しかし、今はそれも見られません。理由はいくつもあるでしょう。
・もともとの説明書が400ページ500ページもあるものを、「かみ砕いて解説する」などすると、さらにその数倍もページ数がある本になってしまう。
・デジカメラの出荷台数は2014年には4,000万台以上あった。23年は772万台と6分の1になっている。それだけ、カメラユーザーは減り、ノウハウ本の需要もなくなった。出しても売れない。
・加えて、出版業界はすっかり斜陽産業化している。いっそうノウハウ本は出しにくい。
・ネット時代なので、紙のノウハウ本になじんでいない人も多い。
もう一度いうと、ここまでで考えているノウハウ本はカメラの操作に関するものです。「写真の撮り方」は別の世界です。フィルムカメラならば、カメラ操作の話はすぐに終わって、「撮り方」のステップにすぐに行けました。今は「写真の撮り方に取り組む前に、複雑化したカメラの操作が立ちはだかっている」のです。
“後編”とでもいうべき「写真の撮り方」の本も、カメラユーザーの減少により、出しても売れません。ほとんど出版されなくなりました。頼るのはどうしてもネット情報になり、そのネットの世界ではカメライターの存在に目が行ってしまいがちになります。
それでも初心者が勉強するにはノウハウ本
「ノウハウ本はほとんど出ない」「ネット情報は、カメライターのような地雷も混じっている」となると、八方ふさがりです。
次善の手として次のような方針で行きましょう。
①ネット情報は使わざるを得ない。ただし、信頼できるところにする。安心できるのは、ニコン・キヤノン・ソニーといったカメラメーカーのホームページやオウンドメディア。
②個人のサイトの情報を利用するのならば、書いている人を必ずチェックする。もちろん、一般的なカメライターのように、我流&自己満足だけの人は、SNS、note、電子書籍のいずれでも避ける。名のある新聞・雑誌、写真事務所などでの勤務経験が長い人からの情報に限定する。
③紙の本の多くは、200ページもないコンパクトさで必要な情報が網羅されている。情報が多少古いのには目をつぶって、古いノウハウ本も物色する。
このホームページの記事は元全国紙写真部員の柳本学が書いています。②の「名のある新聞・雑誌、写真事務所などでの勤務経験が長い人からの情報」とお考えいただければ幸いです。
最後に、③の「古いノウハウ本」を1冊推薦しておきます。初版は10年ほど前で、もう中古でしか手に入らないでしょう。また、「広く浅く、カメラの操作も写真撮影のノウハウも」といった取り上げ方なので、この一冊では不十分です。「これからマスターすべき課題はこれだけある」との一覧表のつもりでお使いください。
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